新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」優勝決定戦は12日、東京・日本武道館で行われ、Aブロック1位の飯伏幸太(37)がBブロック1位のジェイ・ホワイト(26)を撃破し、悲願の初優勝を飾った。

 令和初のG1覇者を決める戦いは、文字通りの死闘となった。負傷している左足首を攻められた飯伏は、カミゴェをかわされるとスリーパースープレックス、クロスアーム式ブラディサンデーの猛攻にさらされる。

 それでもブレイドランナーにカウンターのニーアタックを決めると、必殺のカミゴェがついに炸裂。さらに追撃の一撃を叩き込んでジェイを振り切った。

 昨年大会では決勝で棚橋弘至に敗れ、無念の準優勝。1年後の同じ舞台で、今度こそ栄冠をつかみ取った。キャリア15年目にして最大の勲章を得た飯伏は「どんどん新日本を、みんなで大きくしていきたいです。僕に言う権利が回ってきたので、言わせてもらいます。みんなで、新日本プロレスを、プロレス界を盛り上げていきます」と宣言した。

 2004年7月にDDTでデビュー。華麗な空中技を武器に、路上プロレスなど破天荒で型破りなプロレスもこなしてファンを魅了した。階級・団体の枠を飛び越えて数々のタイトルを獲得。13年から新日本・DDTダブル所属、16年からフリーを経て、今年4月に新日本プロレスに再入団した。

 悲願のビッグタイトルに「G1はこれほどまでに過酷ですか。去年から、この日を待っていました。これだけ頑張らないと、これはつかみ取ることができないのか、よく分かりました。今までも分かってたつもりでしたけど、分かってたようなフリをしてたのかもしれない。でも今は最高にうれしいですよ」と喜びを爆発させた。

 さらに「G1取ったら次は何ですか。IWGPヘビー級のベルト。僕はそれを取りたいと本当に思ってます。そしてこれから実現させます」と宣言。誰もが認める天賦の才でファンを魅了してきたゴールデンスターが、ついに新日本プロレスの中心に立った。