【プロレスPLAYBACK・2009年8月16日】6日に史上初めて米国で開幕戦を迎えた新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」は、テキサス州ダラスのアメリカン・エアラインズ・センターに観衆4846人(主催者発表)を集める大成功を収めた。メインではIWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカが、前年度覇者の棚橋弘至を撃破して史上3人目のIWGP王者でのG1制覇へ好発進した。

 今から10年前の2009年8月16日、狂犬・真壁刀義が初のG1制覇を達成した。オカダがレインメーカーとして凱旋帰国したのは12年1月で、当時の参加メンバーに名前はない。

「決勝戦は真壁が中邑真輔を撃破して悲願の初優勝を飾った。真壁は9・27神戸ワールド記念ホール大会でIWGPヘビー級王座に挑戦することが確実となったが、王者の棚橋が右眼窩底骨折のため17日に緊急手術することが判明。棚橋戦が流動的となった代わりに同期だった“野獣”藤田和之戦が浮上した。

 準決勝で負った額の傷を攻められた真壁は開始早々から大流血。長時間にわたり腕ひしぎ逆十字固めに捕らえられた。しかし15分過ぎ、ヒザを両腕でガードするやハンマーで攻勢に出る。スパイダージャーマンで叩きつけると、最上段からのキングコングニー2連発で激闘に終止符を打った。
 デビューから実に12年。長い下積みを経た真壁には思いをはせていた夢がある。同期、藤田との対決だ。『数え切れないほどシングルやったけど全部イカれてる。絶対に借りを返さなきゃいけねえ』。藤田は2000年に退団した際、真壁に『何年かしたら同じリングで合えたら』とエールを残していた」(抜粋)

 同年はA、Bブロックの1位と2位が決勝トーナメントを戦う方式が採用され、準決勝は真壁とノアのハレンチ王・杉浦貴、棚橋と現WWEの中邑という豪華メンバー。第3世代から新たな時代へ完全移行した時期だ。

 結局、棚橋は王座を返上。夢の藤田戦は実現せず、9月の神戸決戦では真壁と中邑が空位のベルトをかけて王座決定戦を行った。真壁は敗れて中邑に長期政権(V6)を許すも、翌年5月の福岡大会で悲願の初戴冠を果たした。昨年大会を最後にG1から撤退したが、代わりにKENTA、ジョン・モクスリー、鷹木信悟ら初参戦のメンバーが盛り上げそうだ。