29回目の開催となる新日本プロレス真夏の祭典「G1クライマックス」は6日(日本時間7日)、テキサス州ダラスのアメリカン・エアラインズ・センターで幕を開ける。本紙恒例の開幕直前予想には“キック界の神童”那須川天心(20)が初登場だ。若き天才戦士が挙げた、プロレス界最強にふさわしい大本命とは――。

 ――ホームリング、RISEの「WORLD SERIES 2019」(21日、エディオンアリーナ大阪)を控える中でありがとうございます。さっそくG1予想を

 那須川:僕の中でもう決まっていますよ。ズバリ、優勝はAブロックのオカダ(カズチカ)さんです。去年、リーグ戦で負けてしまいましたよね。でも、どんなに負けてもヒーローは最後に勝つんです。だから今年はオカダさん!

 ――プロレスが好きになったきっかけだ

 那須川:はい。この前(6月2日のRIZINで)ドロップキックを出したのもオカダさんへのリスペクトの気持ちからです。(2016年8月12日に)両国国技館でオカダさん対棚橋(弘至)さんの試合を見て、プロレスってすげえなって思ったんですよ。それまでも見ていたんですけど、キックボクシングがプロレスに負けるわけがないと思ってたんです。でもあの試合を見てからは、負けてられないなって思うようになった。

 ――刺激を受けるのは

 那須川:入場からすごいじゃないですか。コスチュームも派手で特徴があるし。自分もプロレスラーに負けないように、毎試合コスチュームとか変えてるんですよ。あと、オカダさんの技って迫力があって派手ですよね。誰が見ても「こいつ強いな」って分かる。それってすごく大事なことで、自分は説明なしで試合が伝わることを目指しているんですけど、オカダさんはまさにそうなんですよね。

 ――Aブロックで他に注目選手は

 那須川:ウィル・オスプレイ選手ですね。フィジカルが強くて、跳躍力がすごい。投げられてもクルッと回って立っちゃうじゃないですか。よっぽど体幹が強いんだと思います。ああいうフィジカルは自分も欲しいですね。Aブロックはこの2人の対戦に注目です。

 ――ではBブロックは

 那須川:やっぱり内藤(哲也)選手。「主語になる選手」なんですよ。そこを自分も目指してるんですけど、内藤選手は「勝った」だけじゃなくて「負けた」も話題になる選手なんです。ただ…この外国人も気になりますね。ジョン・モクスリー選手ですか。

 ――「ディーン・アンブローズ」のリングネームで米WWEで活躍した

 那須川:この選手がどこまでできるかっていうのは興味があります。Bブロックからはこの2人のどちらかが上がってきてオカダさんと戦うんじゃないかって思いますね。それにしても…選手は大変っすよね。だって、リーグ戦9試合ですよ。もしかしたら途中でケガをするかもしれないし。

 ――最後に、21日のスアキム・PKセンチャイムエタイジム(23=タイ)戦に向けて意気込みを

 那須川:プロレスファンの人が見て「あ、キックも面白いじゃん」って思ってもらえる試合をしたいですね。格闘技っていうジャンルで一緒に頑張りたいし、盛り上げていきたい。あとは21日にスッキリ勝って、G1の終盤戦をゆっくり見たいっていうのもあります。その刺激で何かまた、新たな技とかのアイデアが生まれるかもしれないですから。