【新日本】棚橋「やっとプロレスに戻ってこられた」

2019年06月06日 16時30分

棚橋はジェイ(右)の左ヒジ攻めに苦しんだ

 左ヒジの負傷で欠場していた新日本プロレスの棚橋弘至(42)が、5日の東京・両国国技館大会で2か月ぶりに復帰したが、前IWGPヘビー級王者ジェイ・ホワイト(26)に屈辱の敗北を喫した。2月にIWGP王座を奪われた因縁の相手に辛酸をなめさせられ、2連覇がかかる「G1クライマックス」(7月6日、米テキサス州ダラスで開幕)に向けた巻き返しが急務になった。

 試練の復帰戦だった。4月6日のマジソンスクエア・ガーデン大会以来となるリングで、棚橋はジェイとのシングル戦に臨んだ。だが開始早々に奇襲を受け、左ヒジに集中砲火を浴びる。ハイフライフロー解禁を試みるも、発射寸前で阻止された。ならばと、なりふり構わず金的攻撃からテキサス式四つ葉固めを狙う。しかしここで左ヒジをつかまれ、首固めで3カウントを奪われた。

 4月中旬に受けた左ヒジの「肘部管症候群」の手術に伴う入院生活で体重は約10キロ増加。トレードマークの腹筋が一時は消滅した。それでも、急ピッチで仕上げてきた。この日の戦いで証明しなければならないことがあったからだ。

 試合前には本紙の取材に「“復帰商法”なんて言われたりもしてますからね。短いスパンで欠場、繰り返してますし」と口にした。2016年5月の左肩負傷に始まり、右腕や右ヒザとあらゆる箇所に爆弾を抱え、ここ4年間は毎年、欠場を経験している。

 完全にコンディションを戻すために、長期欠場を望むファンの声さえ聞こえていた。それでも「どんなシリーズにも顔を出したいんです。棚橋はアイコンなので。ディズニーランドにミッキーマウスがいなかったらおかしいでしょ」という責任感と「ベルトを目指さなくなった時が引退する時」という信念が早期復帰を駆り立てた。不安の声を消すために何より勝利が必要だったが…。

 試合後は「プロレスラーになった時も黒星発進。令和のデビュー戦も黒星。俺らしいじゃん。でも、やっとプロレスに戻ってこられた」と語った。G1開幕まで約1か月。沈んだままの太陽は、真夏の祭典で再び昇ることはできるのか――。