新日本プロレス23日の東京・後楽園ホール大会で行われた「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」Aブロック公式戦で、鷹木信悟(36)がIWGPジュニアヘビー級王者ドラゴン・リーを破り、開幕5連勝を飾った。これで同ブロック単独首位に立ち、優勝決定戦(6月5日、東京・両国国技館)進出に大きく前進。ファイナルの舞台にかける思いが、快進撃を生む原動力になっている。

“日墨龍対決”に臨んだ鷹木は、リーのリバースフランケン、ニーアタックの猛攻にさらされた。それでもデスヌカドーラ(変型ボム)を切り返すや、必殺のラスト・オブ・ザ・ドラゴン(変型ドライバー)で激闘を制し、ついにジュニア王者までも撃破した。

 無敗街道を突き進み、リーグ戦は無傷の5連勝。首位を並走していた石森太二(36)が敗れたことで単独首位に立ち「少しは見えてきたんじゃないか? 両国のメイン」と笑みを浮かべた。

 開幕前、優勝した暁には同年代の飯伏幸太(37)と内藤哲也(36)が抗争中のIWGPインターコンチネンタル王座戦線への参入を示唆したことで、石森から「ジュニア軽視」の批判も受けた(本紙既報)。

 だが鷹木は「軽視しているわけではない。このきついリーグ戦で、一つひとつ結果を残していかないといけないことも分かってる。ただ俺はプロレス界を面白くするために、型にははめられたくないだけだ」と己の信念で反論。そのためにも有言実行を証明するつもりだ。

 優勝決定戦の舞台にも特別な思いがある。ドラゴンゲート時代の2011年3月、右肩負傷からの復帰戦を両国国技館で行う予定だった。しかし、直前に発生した東日本大震災の影響を受けて大会は中止。「もちろん団体の判断は正しいものだったと理解してる。でもあの時、上がりたかった気持ちは忘れたことはない」と、その後は複雑な思いを抱き続けた。

 ようやくその思いを晴らせたのが新日プロ初参戦となった昨年10月8日の両国大会。それでも満足することはなかった。「あれは内藤が整えてくれたようなものだからね。だからこそ今回は、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンメンバーへの恩返しの意味も込めて、自分の力で(両国の)メインにたどり着きたい」と決意を口にした。

 公約に掲げた史上初となる初出場での全勝優勝の快挙が現実味を帯びてきたのは事実。ザ・ドラゴンは脇目も振らず目標の舞台へと歩を進める。