新日本プロレス6月9日の大阪城ホール大会でクリス・ジェリコ(48)とのV2戦が決定的になったIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(31)が、スーパースターとの立場逆転を主張した。両雄の初対決には海外からも注目が集まる中、レインメーカーの自信は揺るがない。ジェリコを利用して世界のビッグネームに肩を並べるつもりだ。

 オカダは4日の福岡大会でSANADA(31)を下して初防衛に成功。試合後に、会場のビジョンに登場したジェリコから挑戦を表明された。Y2Jとの初対決には「海外の人の反応が特にすごかったですね」(オカダ)と、早くも世界中のプロレスファンから熱視線が送られている。

 抜群の知名度を誇る挑戦者は、王者側にもメリットになりそうだ。ところが「もちろん楽しみだし、世界的スターとして魅力的ではありますけど」と前置きしつつ「ビッグネームといっても、そこまで頼らなくてもいいんじゃないかと。逆にジェリコでしょ、助かるのは。オカダと戦うことで注目してもらえるわけですから」と分析する。

 ジェリコは久々の新日マット参戦になった昨年1月の東京ドーム大会を皮切りに、ビッグマッチに定期的に登場。新鮮味が薄れつつあるのは事実だ。戦績的にもケニー・オメガ、内藤哲也に黒星を喫していることから、そこまでおいしい獲物ではないと見る。

 4月に格闘技の殿堂、マジソンスクエア・ガーデン大会を成功させた自負があるオカダは「もちろん僕も(メリットが)ゼロではないですけど。立場はもう逆だよと。だからこそ向こうも挑戦したいんだと思ってますし」と受け止めた。

 絶対的優位を疑わないからこそ、ジェリコを使って自身の価値を改めて世界に発信する。「いろいろな世界のスーパースターと戦ってきたレジェンドじゃないですか。ショーン・マイケルズ、“ストーンコールド”スティーブ・オースチン、ザ・ロックともやってますし、その人たちと比較してもすごいチャンピオンだなと言わせたいですね」。絶大なまでの自信を胸に、上半期最大の決戦に向かう。