新日本プロレス20日の愛知県体育館大会でザック・セイバーJr.(31)とのV1戦に臨むIWGPインターコンチネンタル(IC)王者・飯伏幸太(36)が15日、新たな目標を立てた。きっかけは6日のマジソンスクエア・ガーデン(MS・G)大会で同王座初戴冠を成し遂げた直後。かつてのIC絶対王者・中邑真輔(39=WWE)に誓いの言葉を述べたのだ。

 飯伏は初防衛戦で「NEW JAPAN CUP(NJC)」2回戦で敗れたザックを迎え撃つ。珍しく自ら挑戦者を指名した理由を「NJC(での敗戦)も含め、一番に勝たないといけない相手だし、こっちの意見ではあるけど(ザックがMS・G大会のIC戦)1つ前の試合で棚橋(弘至)さんを倒している。敵を討つじゃないですけど、そういうことは自分で勝手に思ってます」と説明した。

「2人の神」とあがめる棚橋と中邑の王者時代にそれぞれ挑戦したICには思い入れがある。そのため「今までいろいろなベルトを取ったけど、これほどうれしいことはない」と戴冠の喜びも格別で、ベルト奪取の地がニューヨークだったことも幸運だった。

 MS・G大会翌日には、WWEの祭典「レッスルマニア35」を終えた中邑と会う機会があった。飯伏は「『おめでとう』と言ってもらって『今後どうするんだ?』という話ですね。『中邑さんを超えたいです』と直接言いました」と2人のやりとりを明かす。

 2016年に中邑が新日プロを退団して3年がたつが、IC王者として「V8」の最多防衛記録をつくったイメージは、今なお強烈に残る。だからこそ「自分の中ではですけど、IWGPが最強ならICは最高のイメージというか。中邑さんの色が強すぎるので、塗り替えたいですね」という気持ちを一層強くした。

 17年のG1公式戦では棚橋から勝利を挙げたニーアタックを「神超え」転じて「カミゴェ」と命名した。今度はIC王者として、中邑という絶対的な存在を超えることを目指す。その一方で「このベルトで、自分の中の“ジョーカー”をまた引き出せたらと思います」と意味深な笑みも浮かべた。

 この日の山梨・甲府大会では6人タッグ戦でザックと激突。ハイキック、プランチャを挑戦者に浴びせ好調をアピールし、決戦に向けて闘志を燃やした。まずは名古屋決戦から新たなIC王座の歴史を築く。