【新日本】オカダ歴史作った 初のMS・GでIWGP奪還

2019年04月08日 20時00分

オカダ(右)はレインメーカーでジェイとの激闘を制した(写真は新日本プロレス提供)

【ニューヨーク6日(日本時間7日)発】新日本プロレスのマジソンスクエア・ガーデン(MS・G)大会で行われたIWGPヘビー級選手権は、挑戦者のオカダ・カズチカ(31)が王者のジェイ・ホワイト(26)を破り第69代王者に輝いた。「格闘技の殿堂」への初進出となった歴史的興行で約10か月ぶりの王座返り咲きを果たし、日本のプロレスの実力を世界に示した。

 日本のプロレス団体が初めて大会開催にこぎつけた伝統のMS・Gには、1万6534人(札止め=主催者発表)の観衆が詰めかけた。「NEW JAPAN CUP(NJC)」覇者としてひのき舞台に立ったオカダは、連敗中のジェイと激突。緩急を自在に操る王者独特のペースに苦戦を強いられた。

 だがドロップキックで攻勢に出るや、王者を持ち上げ旋回式ツームストーンパイルドライバーを発射。最後は渾身のレインメーカーで平成最後のIWGP戦を制した。「入場して見た景色はすごかった。あの景色を見ることができるのは本当に限られた人間。これで終わりじゃなく、また戻ってきたい」

 海外武者修行中だった2011年のこと。当時のIWGP王者、棚橋弘至が「いつかMS・Gで試合をしたい」と口にしたのを聞き「何言ってるのかな。無理でしょ」と感じた。その時のオカダは米国で試合すら組んでもらえない屈辱の日々を送っていた。

「いい意味で腐ってましたね。だからこそ、それを原動力にして当時の人たちを見返すことができるように頑張ろうと思ってました」。夢にすら見られなかった場所にたどり着き、熱狂の渦をつくり出した。

 初めてIWGPを巻いた12年に理想の王者像を聞かれ「特にありません」と言い放った面影は、もはやない。若くして記録という記録を全て塗り替えたことで、自然とプロレスというジャンルを背負う存在になった。

「今の僕のモチベーションとしては『いかにプロレスをみんなに知ってもらうか』しかないんですよ。MS・Gでチケット売り切れになるくらいのものだって見せたいし、プロレスの見方を変えたい」という志を胸に米国に乗り込んだ。

 MS・G進出により、年々大きくなる新日プロのスケールに希望と無限の可能性を感じた。だからこそ「たまに全米ツアーとか、大きなとこを回ったりしたら面白いんじゃないかな」と目を輝かせる一方で「よく外国の人が新日本プロレスを見に来てるじゃないですか。それこそメキシコのガイドブックにはルチャ・リブレが載っている。日本だったら今それは相撲なんでしょうけど、そういうところに並びたい。日本には、日本のプロレスの面白さがある」という秘める目標がある。

 ジャイアント馬場、アントニオ猪木ら偉大な先人が歴史を刻んできたMS・Gに、ついにカネの雨を降らせた。日本プロレス界にとって歴史的な大会は、新たな夢への確かな第一歩となった。