新日本プロレス6日(日本時間7日)の米ニューヨーク、マジソンスクエア・ガーデン(MS・G)大会でIWGPインターコンチネンタル(IC)王座取りに臨む飯伏幸太(36)が、決戦に向けて秘める胸中を明かした。中邑真輔(39=現WWE)の王者時代にはね返されたベルトには特別な思いがある。2人が交わした3年前のある“約束”とは――。

 MS・G大会で飯伏はIC王者の内藤哲也(36)に挑戦する。同王座挑戦は2015年1月東京ドーム大会の中邑戦、17年11月大阪大会の棚橋弘至戦に続き今回が3回目となる。

「自分の中の2人の『神』が持っていたベルトというイメージですね。中邑さんと棚橋さん。そのベルトを(内藤は)雑に扱いすぎなんじゃないかとは思います。内藤さんが持ってるICって何も見えないというか…だったら欲しい人が持った方がいいんじゃないかと」

 特に強い印象を持つのが最多戴冠、最多連続防衛の両記録を保持するかつての“IC絶対王者”中邑で、今だからこそ成し遂げたいことがある。中邑がWWEへ移籍する直前の16年1月のこと。2人だけの会食の場で、中邑から必殺技ボマイェの使用を許可されるとともに、日本マット界の未来を託された。

 当時中邑は本紙に「ハッパをかけとかないとなってことですよね。『今しかないんだよ』と。流れをつくりたいなら自分でやらなきゃいけないでしょ」と語っている。飯伏は当時長期欠場中で、復帰後もその期待に100%応えられたとは言い切れない。しかし今年に入り、新日プロに専念する意思を表明したことで気持ちが改まった。

「当時は褒められてうれしいなとか、言葉を浅く捉えすぎていた感じですね。時間はかかってしまったけど、今はその覚悟ができたというか。自分でも『今しかない』ことが分かった」。まずはICベルトを奪取することで、リスペクトを寄せる先輩の思いに報いるための第一歩とする。

 王者の内藤にも同い年のレスラーとして特別な感情がある。「ただのライバルじゃなくて…ひと言では言えないけど楽しみですね。場所も相手もベルトも、条件は全て揃った」。格闘技の殿堂で、ゴールデンスターが新たなるステージへと飛翔する。