新日本プロレス3日の北海道・札幌大会で、ⅠWGPインターコンチネンタル王者の内藤哲也(36)がアクシデントに見舞われながらもタイチ(38)の挑戦を退け、初防衛に成功した。ⅠWGPヘビー級王座(現王者・棚橋弘至=42)との2冠を狙うⅠC王者は、同王座挑戦権がかかるトーナメント「NEW JAPAN CUP」(3月8日、後楽園ホールで開幕)への出撃を予告。6年ぶりになるⅠC王者のNJC参戦が浮上した。

 逆境を見事にはね返した。入場時に飯塚高史の“テロ”を受け、一時は戦闘不能状態。菅林直樹会長が姿を見せ、トレーナー、レフェリーと試合の可否を協議するほどの緊急事態に陥った。それでも、内藤は不屈の闘志で試合を強行。タイチのブラックメフィストをリバースフランケンシュタイナーで切り返すと、デスティーノで乱戦を制し「俺はこのIC王座を持ちながら、IWGPヘビー級王座を狙っていきたいと思います」と宣言した。

 内藤は「皆様、俺のスマホの番号知ってる? 独占取材、いつでも受け付けますよ」と報道陣に言い残して会場を後にした。そこで本紙が連絡してススキノで再合流すると、内藤はいつものファミレスではなく、知人が開いてくれた祝勝会で高級食材のカニにありついていた。

 現段階でIWGPへの最短ルートは、主要王座挑戦選択権のかかるNJCに優勝することだ。しかし、同システムが導入された2014年から、IC王者はNJC不参戦が続いている。内藤は、その不文律を強行突破する意向だ。

「例年通りだと、俺は出られないでしょうね。IC王者は選ばれる立場だったわけですから。ですが…現役王者で他の王座に挑戦したい、挑戦選択権が欲しいとハッキリ口に出す人間がいたら、どうなるのか。そう、まさに今の俺ですよ」

 自身がリスク覚悟で出場を望んだ場合に、その資格は奪われるべきではないというのが内藤の主張。12年には当時のIC王者・後藤洋央紀がNJCを制し、IWGP王者のオカダ・カズチカに挑戦した例もある。「もし、それでも俺の出場を認めてくれないっていうなら、このベルトは本当にただの“足かせ”ってことになっちゃうんじゃないのかなあ」と新日プロをけん制した。

 言いたいことを言い終えた内藤は「さっきからチラチラとテーブル見ているようだけど、まだ原稿終わってないんでしょ? 仕方ないな。ホテルに戻って仕事するなら、せっかくだし、これ持っていきなよ」と本紙のために、お土産を包む気立ての良さを披露。もっとも、帰って開けてみると中には、すべて食べ終わったカニの殻しか入っていなかった…。