注目の「ザ・ドラゴン」がいきなり魅せた。新日本プロレス「スーパージュニアタッグリーグ」が16日、東京・後楽園ホールで開幕し、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)に新加入した鷹木信悟(35)は、BUSHI(35)とのコンビで白星発進した。かつてセルリアンブルーのマットに名をとどろかせた「2人の龍」超えの誓いを胸に、新天地での初勲章を狙う。

 圧巻だった。昨年同時期に行われたジュニアタッグトーナメントの覇者「ロッポンギ3K」(YOH、SHO組)を相手に、鷹木とBUSHIは初タッグとは思えぬ好連係を披露した。

 最後は鷹木がパンピングボンバーからのラスト・オブ・ザ・ドラゴン(変型ドライバー)でYOHを沈めると「俺がやるべきことはただ一つ。結果を残すことだ」と豪語。リング上に登場した内藤哲也(36)らLIJメンバーと勝利を分かち合った。

 両国大会(8日)で新パレハとして仲間入りした。初陣となったこの日の試合前は内藤から「プレッシャーをかけるわけじゃないけど、今日の試合はメチャクチャ大事だから頼むよ」と重圧がかかる“パワハラLINE”を受け取ったが、見事に期待に応えてみせた。

 新天地で名乗る「ザ・ドラゴン」の異名には、古巣のドラゴンゲートで培った魂を背負う覚悟が表れている。ただし新日プロの歴史において「ドラゴン」といえば“炎の飛龍”藤波辰爾(64)と“風雲昇り龍”天龍源一郎(68)の2大巨頭のイメージが圧倒的だ。

 そこで律義な一面もある鷹木は新日マット参戦前に「龍」を名乗る上で2人に断りを入れ、了承を得た。今年、リング上で対戦した藤波からは「頑張ってね」と直々にエールも受けた。

 鷹木は「自分の存在がLIJのユニット内の相乗効果になればいいと思っている。その上で、いつかこのリングでお二人を超えられるような結果とインパクトを残したい」と野望を語る。

 LIJは現在、高橋ヒロムが首の負傷で長期欠場中。パートナーだったBUSHIは「ヒロムが安心して戻って来られる場所なんてつまらないでしょ? 彼がジェラシーを抱いて戻って来られる場所をつくりたい。俺たちがこのリーグ戦に優勝することが一つの答えであり、ヒロムへの思いだ」とこちらも背負うものがある。それぞれの思いを胸に、最高の形でスタートを切った鷹木とBUSHIが、間違いなく台風の目となりそうだ。