新日本プロレスは9日、都内で会見を行い、年間最大興行、来年1月4日の東京ドーム大会のメインカードとして王者ケニー・オメガ(34)と挑戦者・棚橋弘至(41)のIWGPヘビー級選手権を発表した。

 今夏のG1クライマックスを制し、3年ぶりに東京ドームのメインに立つ棚橋は、現王者とは相容れぬイデオロギーを持つ。前日(8日)の両国国技館大会でケニーが飯伏幸太、Codyとの3WAY戦を制しV3に成功した試合も酷評してみせた。

「ビジュアル、運動能力…全てにおいて3選手とも隙がなく、素晴らしかったんですけど。IWGPの権威、IWGPの扱い…IWGPのベルトはアクセサリーじゃないから。昨日の試合に関して言えば、飯伏もCodyも仲間で、握手で始まった試合なのに、テーブルとか使う必要があったのかな。俺はプロレスを広めたいと思ってやってきた。プロレスを初めて見る人に疑問があってはいけない。(ケニーの試合には)初めて見る人に理解できない『WHY』が多い」

 さらに両国大会のリング上で「賞味期限切れ」と挑発したことの真意について「ケニーのプロレスが食傷気味なんですよね。プロレスに品がないんです」と容赦なく言い放った。

 一方のケニーは棚橋を“時代遅れ”と決めつける。「驚くべきことに、また東京ドームのメインに戻ってきた。それは素晴らしい。棚橋は新日本を支えてきた張本人かもしれないが、今この団体を引っ張っているのは誰か。それはお前ではない。かつて日本のプロレスをけん引していたのかもしれないが、棚橋では世界は変えられない」とバッサリだ。

 両者の唯一のシングル戦は2016年2月の長岡大会でケニーが勝利を収めている。「それから2年で俺は進化を遂げ、プロレスも進化した。棚橋は取り残された。これが棚橋にとってキャリア最後のチャンスということも分かっていると思う。スポーツとしてはどうか分からないが、このレジェンドが息絶えるストーリーはプロレスとして完璧だろう?」とニヤリ。「もしも棚橋がトップに返り咲けることがあったら、この団体はおしまいだ。未来はない。俺の努力が全て無になる」とまで言い切った。

 互いに相容れぬ主張を繰り広げた両雄の舌戦は、何と1時間超にも及んだ。レッスルキングダム史上最長の会見時間でも平行線をたどった両雄が、東京ドームのリングで雌雄を決する。