新日本プロレスのIWGPヘビー級王者ケニー・オメガ(34)が5日、3WAY形式で行われるV3戦(8日、東京・両国国技館)を歓迎した。王者不利のルールに自信をみなぎらせ、「新しい歴史をつくる」と豪語。また、同大会のセミで行われる来年1月4日東京ドーム大会・IWGP王座挑戦権利証争奪戦に注目発言を放った。

 ケニーが飯伏幸太(36)とCody(33)を挑戦者に迎え撃つIWGP戦は、紆余曲折の末に決まった。V2達成時点では飯伏との防衛戦を望んでいなかったが、9月30日のロス大会で翻意し次期挑戦者に指名。ここにCodyが現れ、三つどもえの争いになった。

 この日、成田空港着の航空機で来日した王者はV3戦に向け「3WAYにはその状況ならではの技、瞬間がある。それを楽しみにしている」と腕をぶした。本来ならば盟友、飯伏との王座戦は一大決戦で、そこに入り込んできたCodyは“邪魔者”にも映るが、むしろウエルカムだという。

「このルールだと、アドバンテージは王者にない。もし挑戦者同士で決着した場合も俺はベルトを失う。でも逆にそういうシチュエーションが面白いと思う。これをクリアできれば、俺はもっとオールラウンドな選手になれると思う」

 より複雑化した王座戦を楽しむ余裕すらのぞかせた。しかも何の因果か、過去に2度行われた3WAY王座戦の勝者はブロック・レスナー、そしてAJスタイルズと、いずれもIWGP史に名を残す最強外国人だ。

「過去の試合よりもいい試合を目指すのではなく、今まで誰も見たことのないものを見せたい。今までの3WAY戦を超えるのではなく、全く新しいものをつくりたい。もちろん負けるつもりはないけど、このメンバーならどんな結果になってもすごいことができる」と対抗心を燃やした。

 例年のスケジュールでは、今大会が年内最後のIWGP戦。同王座戦と、棚橋弘至(41)VSジェイ・ホワイト(25)の挑戦権利証争奪戦勝者が、年間最大興行の来年1・4ドームで激突する。

「そろそろジェイがIWGPに挑戦できそうな気もするけど…。いま自分が一番楽しみにしているのは、棚橋を潰すことだ。壊れている棚橋の上に立つ。そのイメージを大事にしている」

 舌戦を展開する棚橋にドームへの“出頭”を厳命すると、まずは目前の試合へ精神を研ぎ澄ました。