【新日本】石井の野望は史上初「170センチのIWGP王者」

2018年09月06日 16時30分

石井(右)は強烈なエルボーでケニーを圧倒

 歴史の1ページを刻めるか。新日本プロレス15日の広島サンプラザホール大会でIWGPヘビー級王者ケニー・オメガ(34)に挑戦する石井智宏(42)が5日、史上初の「身長170センチのIWGP王者」誕生の野望を明かした。2度目の挑戦でプロレス界最高峰の王座を目指すが、胸に秘めるのは、デビューから周囲に言われ続けてきた“あの言葉”への反証だ。

 G1クライマックス公式戦でケニーを撃破した石井は、2016年5月3日の福岡大会以来となるIWGP挑戦の権利を得た。「全てが自分中心に動いているかのように勘違いしているからな。つい最近も(来年1月4日東京ドームでのIWGP挑戦権利証保持者)棚橋(弘至)に目がいってたし」と伸びきった王者の鼻をへし折る決意だ。

 誰もが認めるベルトを手にすることで、証明したいことがある。「今まで言ったことがないんだけど、IWGPに関しては一個、野望みたいなものがあって。『史上初の170センチのIWGP王者』。デビューしてから二十何年間『石井にあと10センチ身長があれば』って、何百回、何千回と言われてきたから」

 レスラーとして小兵の部類に入る石井は、それを補って余りある無骨な全力ファイトで今の地位を築いた。だがデビュー当初は先輩たちから「お前みたいな小さいのが、なに真っ向からやってるんだ」「勝てるわけないだろ」と叱責され、ファンからも身長を嘆かれるのが日常茶飯事だった。

「コンプレックス? そうだろうね。俺の時代はこの身長だと95%(業界に)入れない時代だったから。転がり込んだ、拾ってもらった感覚」

 そんな迷いを吹っ切ってくれたのが師匠・長州力(66)の言葉だ。リキプロ時代の05年に「お前はもうヘビー級でやれ」と認められたのだ。だからこそ、かつて師匠も巻いたベルトの奪取は、この上ない恩返しになる。

 31年に及ぶ同王座の歴史の中で最も身長が低い王者は第5代王者のサルマン・ハシミコフと見られるが(180センチ説と178センチ説がある)、石井がその名を刻めば新たな1ページが誕生する。「史上初の170センチのIWGP王者」誕生は、反骨心と信念が詰まった誓いなのだ。

 シリーズ開幕となった名古屋大会ではケニーとの前哨戦で勝利。弾みをつけて、広島決戦へ一直線だ。