8か月ぶりに、いっちゃうぞバカヤロー! 新日本プロレス9日の千葉・東金アリーナ大会で左膝前十字靱帯断裂による欠場から復帰する小島聡(47)が4日、盟友で同大会のプロモーター・永田裕志(50)と最終調整を行った。レスラー人生初の長期離脱を乗り越え、復活の準備は万端。偶然にも永田同様にタクシー内で起きた“屈辱事件”をバネに、パワーアップした剛腕が帰ってくる。

 台風21号が日本列島を縦断する中、小島は永田を伴い多摩川河川敷で合同練習を敢行。108キロのミスターを担いでスクワットを繰り返すなど、徹底した下半身強化で万全をアピールした。

 1月に左ヒザを負傷し、2月15日に手術した。1991年7月のデビュー以来、初めて経験した長期欠場を「自分以外のレスラーが試合しているのを見るとうらやましかったし、いろいろ不安はありましたけど、そこまで肩ヒジ張ってっていうキャリアでもないし。いい具合で調整できた」と振り返る。

 復帰戦は「第3世代カルテット」(小島、永田、中西学、天山広吉)を結成し、8人タッグ戦に出場する。対戦相手には中心性頸髄損傷による欠場から6月に復帰した本間朋晃(41)が入った。

「(リハビリ中)道場でしょっちゅう顔を合わせていたので。先に復帰して『おめでたいな』って思う半面、ジェラシーもありましたしね」

 気持ちも高まっている。ともに逆襲を掲げる永田は今年に入りタクシー運転手から「引退したんですか?」と声をかけられる憂き目に遭ったが、小島も同様の経験をしたという。

 G1クライマックスが開催された8月の大阪大会で、撮影会に参加するために会場に向かっていたタクシー車中でのこと。運転手は「プロレス、昔は好きだったんですよ。天コジとか…」と当の「コジ」が乗っていることに気付くことなく会話を続けた。

 タクシー業界は第3世代に恨みでもあるのだろうか…? さすがに苦笑いしかできなかったというが、逆にこの出来事がハートに火をつけた。

「『昔』っていうワードが引っ掛かってて。だからこそ『今』を見せないといけない。これだけ(新日プロ内で)人が多い状況で、チャンスはいつ来るか分からない。コンディションを整えて、何かしらのムーブメントができれば。まずはたまっているうっぷんを東金で爆発させたい」

“昔、天コジとか好きだった人”たちにも、その雄姿を届けるしかない。

 永田は「復帰戦が決まってから、結構な数の問い合わせもありましたしね。へっへへ」とご満悦でソロバンをはじいた。とはいえ主役の座を完全に譲るつもりはない。「年齢は50歳になったけど、並の50じゃないってことを、東金から世界に発信したい」と大会名の「青義健在」を証明するため、闘志を燃やした。