新日本プロレスのIWGPヘビー級王者ケニー・オメガ(34)が、G1クライマックス覇者・棚橋弘至(41)の“リタイア”を予言した。石井智宏(42)とのV2戦(15日、広島サンプラザホール)ではG1の雪辱に自信をのぞかせる一方、棚橋は保持する来年1月4日東京ドーム大会の「IWGP王座挑戦権利証」を年内に手放す公算が大きいと断じた。

 G1公式戦で足をすくわれた石井とのV2戦に向け、ケニーは「彼は乱入があったわけでも、運が良かっただけでもなく、実力で俺に勝った。挑戦を受けるしかない」と集中力を高めた。

「ベストバウトマシン」を自任する王者に対し、石井も「名勝負製造機」と呼ばれる。そこで「石井は一つのスタイルしかできないが、それはエキサイティングで日本のファンが好むものだ。彼のスタイルを受けて立つよ。結果だけが前回と違うものになる」と真っ向勝負に臨む覚悟だ。

 また、G1を制した棚橋が1・4ドームの挑戦権利証を獲得し、23日の兵庫・神戸ワールド記念ホール大会ではオカダ・カズチカ(30)と争奪戦を行う。

 それぞれベルトと権利証を守り続ければ年間最大興行での頂上対決が実現するが、ケニーは「棚橋がドームまでに権利証を失う可能性はとても高い」と分析した。

理由は明白。争奪戦の相手に前IWGP王者のオカダを選んだからだ。

「棚橋は仮面ライダーを見すぎたのか、現実世界でも映画の主人公と勘違いしてしまったのか。自分がヒーローだと過信している。俺はコンディションもハートもG1王者らしくないと思ってる」

 さらに棚橋が飯伏幸太(36)に対し「本当にレスラーとしてトップを取りたいなら、ケニーといたら先はない」と発言したことにも反論する。

「棚橋はもう何年も他人の力を自分のプラスのためだけに利用しているが、彼の言う通りにしてトップに立った人間はいない。KUSHIDAやマイケル・エルガンがそう。むしろ内藤(哲也)のように棚橋の逆を行ったレスラーのほうがトップに行っているじゃないか。俺のことも飯伏のことも見くびりすぎている」

 まさに水と油のIWGP王者とG1覇者。9月決戦でそれぞれ強敵を迎える両雄に待ち受ける未来は果たして――。