新日本プロレスの「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(LIJ)」の緊急集会を27日、独占キャッチした。ジュニアの祭典「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」で苦戦が続くBUSHI(35)と高橋ヒロム(28)のために、リーダーの内藤哲也(35)が聖地・ファミレスで激励会を開催。LIJの固い絆と食い意地が、逆転優勝への切り札となりそうだ。

 この日がデビュー12周年にして、メキシコの本家・インゴベルナブレス加入3周年記念日となった内藤は、名古屋大会前に本紙をファミレスに招集。駆け付けるとそこにはBUSHIとヒロムの姿もあった。

 内藤が「好きなものを頼んでよ」とミエを切ると、ホテルで朝食を済ませたはずのBUSHIは次々と高級メニューを注文。ヒロムは「自分は今日公式戦なので、アッサリしたものしか食べられないです」と言いながらもハンバーグとパンケーキを選び、BOSJ後半戦への意気込みを語り始めた。

 Aブロックで3年連続開幕3連敗というスロースターターぶりを発揮したBUSHIは、26日名古屋大会でIWGPジュニア王者ウィル・オスプレイ(25)から初白星を挙げた。「ここから巻き返すよ。去年も一昨年もそうだったけど、最後まで望みは捨てない。5勝4敗でG1を優勝した例(2013年大会の内藤)もあるしね」と逆襲を宣言する。

 一方、Bブロックのヒロムも、優勝候補ながら前半戦で早くも2敗と精彩を欠いている。今年のBOSJは、各大会のメインに公式戦が据えられており、ヘビー級に依存しないシリーズとして確立された。昨年提言したことが認められたヒロムは「去年より絶対盛り上がってるし、俺が中心となってみんなで盛り上げてるんだって気持ちはありますよ」とニヤリ。優勝決定戦(6月4日)が後楽園開催となったことにも「後楽園が壊れないか心配ですよ。そのくらいの盛り上がりを見せたいなって思います。…2敗してますけど」と言い放ち、初優勝への誓いを新たにした。

 頼もしい2人の言葉を聞いた内藤は「決勝はBUSHIとヒロムで? それこそトランキーロですよ。ただ俺が一番見たいのは間違いなく2人の優勝決定戦。一ファンとして見ると、オスプレイ、KUSHIDA、この2人の安定感も目につくけどね」と満足げ。いつもは不平不満をたれ流すだけのファミレスで、仲間のモチベーションを上げることに成功した。これぞリーダーの仕事だ。

 激励会を終えた内藤は「今シリーズの主役はジュニアの2人だから俺はサポートに徹したい。まずは会場に向かうタクシーが必要だな…。俺が外で拾っておくから、みんなはまだゆっくりしてて」と先に退店。ところがそのまま連絡が途絶えてしまい、心配した2人も「内藤さん遅いな…。俺たち、ちょっと様子見てきます」と時間差で店外へ。結局誰一人戻ってくることはなく、テーブルの上には伝票だけが残されていた。