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【新日1・4ドーム】オカダV9苦悩の軌跡「プロレス界の顔」としての責任と覚悟


ファンの歓声に応えるオカダ

 新日本プロレスの年間最大興行、1月4日の東京ドーム大会でIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(30)が、内藤哲也(35)の挑戦を退けて9度目の防衛に成功した。昨夏のG1クライマックス覇者にして東京スポーツ新聞社制定「2017年度プロレス大賞」MVPとの頂上決戦に勝利。新日プロの黄金時代再来を象徴する絶対王者・レインメーカー長期政権の知られざる舞台裏とは――。

 この日のドーム決戦の観衆は昨年から実に約9000人増の3万4995人。関係者によれば客入りは2000年以降最高の記録だという。4年前の大会ではセミ降格の屈辱も味わった両雄のIWGP戦は、団体黄金時代再来の象徴となった。

 オカダはロングタイツの新コスチュームでリングイン。プロレス界の頂上決戦は互いに一歩も引かない一進一退の攻防が続いた。内藤が放ったスターダストプレスを回避したオカダは、レインメーカーで大ダメージを与える。だがこれをカウント2で返されると、内藤必殺のデスティーノで反撃された。さらにカウンターの変型デスティーノで後頭部を打ち付けられたが、王者の意地で3カウントは許さなかった。

 試合が動いたのは30分過ぎ。オカダは打点の高いドロップキック、ツームストーンパイルドライバーを発射し勝負に出た。執念を見せる内藤はレインメーカーを阻止して再びカウンターのデスティーノ。さらに咆哮を上げながら2発目を狙ったが、今度はオカダがそれを切り返して旋回式ツームストーンパイルドライバーを突き刺す。最後は完璧なレインメーカーを決めて、34分26秒の大激闘に終止符を打った。

 頂上決戦を制し、改めて実力を証明したが、今日に至る長期政権が決して順風満帆だったわけではない。昨年1・4ドームのケニー・オメガ戦は46分45秒の死闘で世界中のプロレスファンや関係者に衝撃を与えた。その一方で当日深夜の地上波テレビ放送の視聴率は平均1%台と低迷した(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

「悔しかったです。あれだけのことをやっていても、見てくれる人がいなかったら仕方ない。リング上だけ頑張っていればいいとは言えないなと思った」(オカダ)と、激増する試合数の中で負担を増やしてでも積極的にメディア露出に努め、ほとんどオフ返上で働き続けた。

 また昨年4月9日の両国大会では対戦相手の柴田勝頼(38)が試合後に硬膜下血腫の重傷を負った。「どうしたらいいんだろう、と。周囲からは『気にするな』と言ってもらってましたが、あのころは本当に、プロレスが怖かった」とオカダは当時を振り返る。その苦悩を救ったのは、病床の柴田からのメッセージだった。

 昨年4月末に菅野洋介トレーナーを通じて「ケガのことは気にするな。常にそういうものだと思って試合をしているから。何も後悔していない。ちゃんと生きているから大丈夫。お前も頑張れ」と伝えられた。柴田がレスラーと連絡を取るのは負傷後初めてのことだったが、その言葉はオカダを気遣う男気にあふれていた。

「柴田さん本人に言われて本当救われたし、いろいろ考えました。言葉にはしづらいんですけど、プロレスとの向き合い方も変わりましたね。レスラー人生のターニングポイントになっていると思います」

 以後のオカダは自ら団体と交渉し、移動方法やイベント出演報酬に至るまで、所属レスラーの待遇改善にも努めるようになった。その強さの奥底には、業界の未来もライバルの思いもすべて背負うという、プロレス界の顔としての責任感と覚悟があった。

 試合後のリング上でオカダは「まだ(外野席が)空いているところがある。レインメーカーに任せなさい。超満員札止めの東京ドーム見せてやるからな!」と豪語した。レインメーカーが降らせる正真正銘のカネの雨は、まだまだやむ気配はない。

【内藤の話】3カウントを聞いたのは事実だからね。勝った者がすべて正しいんでしょ。すごく悔しいですよ。(東京ドームのメーンに立つ)中学3年生の時に立てた目標のゴールを迎えて、新しい夢が出てきました。また次の機会に発表しますよ。一つ言えることは、俺は必ずこの舞台に戻ってくるから。東京ドームでの大合唱、楽しみに待っていてください。

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