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蝶野が明かす「旅館丸ごと破壊」の真実


蝶野が伝説の真相を明かした

 大阪スポーツ&九州スポーツの黒い客員編集長・蝶野正洋(53)が、黒いお年玉を炸裂させた。1987年1月23日、熊本県水俣市で開かれた宴会で、新日本プロレス御一行が会場の旅館を一軒丸ごと破壊した伝説の事件の真相を明かしたのだ。蝶野は阿鼻叫喚の地獄絵図の模様を語るだけでなく、大乱闘を引き起こした真犯人を推測してみせた。

 みんな、新年おめでとう。蝶野だ。今回は、お年玉代わりにとっておきの話をしてやろう。プロレスファンの間では伝説になっている旅館破壊事件の真実だ。去年、フリーアナの古舘伊知郎さんが「すべらない話」(フジテレビ系)で披露して話題になってたけど、俺がホントのところを全部教えてやる。感謝しろ、オラ。

 崖に建った旅館だったな。前田日明さんたちUWFが新日本に戻ってきて1年たったんで、親睦を深めようと、試合後に宴会することになったんだ。とにかくイザコザが続いてたからな。試合にならないような試合が続出してたし、星野(勘太郎)さんが控室に乗り込んで乱闘したこともあった。収拾がつかなくなってたんで、急きょ、親睦会が設けられたんだ。

 そんな状況だったから宴会が始まっても緊張が解けない。(アントニオ)猪木さんや坂口(征二)さんが焼酎の早飲み一気とかやって場をほぐそうとしたんだが、酒が入るにつれ雲行きが怪しくなり…。俺は「ヤバイぞ」と危険を察知して自分の部屋に避難したんだ。若手や中堅は、ほぼほぼ逃げてたな。

 ここからの話は宴会に同席してた元新日本担当の大スポの担当者に聞いた話だ。前田さんが武藤(敬司)さんに馬乗りになって殴りだしたのが始まりで、それに怒った坂口さんが前田さんに突進してダーンと大の字になって「どこでもいいけん(関節を)取ってみいッ」。前田さんは唾や手鼻を浴びせるだけで絶対に組み付かなかったって。

 そうこうしてるうちに前田さんが猪木さんにカラんで号泣。「あんたが先に行っとけっていうから行って待ってたんじゃないかぁ」って。UWFのヒミツの話だな。猪木さん、周囲の目を気にして完全にキョドってたって。さらに前田さん、高田(延彦)さん、武藤さん、船木(誠勝)とかが全裸でタクシーに乗り込んで夜の街に消えてったとか、まぁ“メーンステージ”はこんな感じだったらしい。

 で、避難した俺たちはというと…。後藤達俊さんっていう酒癖があまりよろしくない先輩が各部屋に乱入して破壊行為のローラー作戦に出てきたんだよ。部屋の扉や壁を「突きの練習」とか言って穴だらけにするわ、トイレの便器を破壊して水浸しにするわ、とにかく壊しまくった。全部屋だよ! それで各部屋の壊れた便器の水が流れてって吐瀉(としゃ)物を巻き込んで、旅館の上から下まで「ズズーッ、ズズーッ」って流れ落ちていったんだ。あれは今でも目に浮かぶよ。壮絶だったな。

 後藤さんはオモチャの日本刀を振り回して「猪木連れてこい、猪木コラァ」って、まだ破壊行為を続けてたらしい。そしたら猪木さんが後ろに来て「何だ、後藤」。後藤さん、急に気をつけして「お疲れさまです!」と深々と一礼したんだと。おっかしいよな(笑い)。

 弁償代は200万円とか300万円とか言われてる。旅館は、ほどなくして潰れちゃったみたいだけどな。

 武藤さんが前田さんに「アンタらが帰ってきたって客は入ってないじゃないか」とか「アンタのパンチなんか全然効かねぇ」って言ったことが大乱闘の発端ってことになってる。でもな、どれだけ酔ってても先輩の前田さんにそんなこと言うわけない。ありえない。いったんリングから下りれば、先輩が絶対の縦社会だからな、プロレスは。

 じゃ、なんでそうなっているのか。ここからは俺の推測だが、おそらく(ドン)荒川さんが武藤さんをけしかけたんだと思う。無礼講の宴会でも縦社会だから、みんななかなか本音が出ない。そこで荒川さんが動いたんじゃないか。「敬司、言え。言ってやれ。客入らないって。パンチ効かないって」って。荒川さんって、マッチポンプだからな。

 で、俺のこの推測を聞いた大スポの担当者も「そういえば、前田と武藤がいたテーブルの横っちょあたりに、荒川さんがチョロチョロしてた記憶がある」って言うんだ。これはかなり有力な説だろ。

 てことで、旅館破壊事件の発端を作った真犯人は荒川さんだな、まず。どうだ、面白かったろ。言っとくが、荒川さんにウラは取ってないからな(笑い)。ガーッデム、アイアム・チョーノ!

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