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【全日・王道T】初V諏訪魔の原動力は不沈艦魂


トロフィーを抱きしめ喜びを爆発させる諏訪魔

 全日本プロレス「王道トーナメント」は19日、東京・後楽園ホールで優勝決定戦が行われ、暴走男・諏訪魔(39)が初優勝を果たした。右アキレス腱完全断裂による長期欠場から復帰後、わずか2か月で勲章をゲット。これで11月27日両国国技館大会での3冠ヘビー級王座挑戦が濃厚になった。持ち前の暴走ファイトを取り戻し、完全復活への力になったのは“不沈艦”ことスタン・ハンセン氏(67)への思いだった。

 

 準決勝で難敵のケンドー・カシン(48)を退けた諏訪魔は、優勝決定戦でゼウス(34)と激突。試合はまさに死闘と呼ぶにふさわしい内容だった。肉体と肉体の削り合いが続き、20分過ぎには壮絶な張り手合戦を展開。この時、アクシデントが発生した。意識が完全に飛んでしまったのだ。

 

 それでも、無意識のうちにここから怒とうのラッシュを仕掛ける。急角度の岩石落としから体重を乗せたドロップキックにつなぎ、最後は叩きつけるようなラストライドで勝利。観衆が静まり返るド迫力で、まさに暴走男の真骨頂だった。「ほんのわずかな気持ちの差、それで決まった気がする」(諏訪魔)

 

 気持ちの差は試合直前に生まれた。出番を待つ後楽園の控室で、2005年11月20日に同じ場所で起こった出来事を思い出した。当時、デビュー2年目だった諏訪魔はPWF会長として来日していたハンセン氏と対面。初めてかけられた言葉が「もう10年早くデビューしていれば…」だった。

 

 幼少時から全日本を見て育った諏訪魔にとって雲の上の存在。「あの暴走に興奮した。それがプロレスにハマった理由」と話すように、試合会場では不沈艦が振り回すブルロープに恐怖し、学校ではラリアートをまねて友人を吹っ飛ばしたこともあった。現在のスタイルの原点がハンセン氏なのだ。

 

「『10年前ならもっと稼げたな』って意味じゃない!?」と謙遜するが、90年代だったらハンセン氏と3冠王座を争うライバルになる存在だった…と認められた証しだ。それから「また見に来てもらえるように頑張ろう」との目標を胸に秘め、ゼウス戦の前に再確認することができたという。

 

 次なる野望はただ一つ。負傷により無念の返上を余儀なくされた至宝奪還だ。「こんなので満足しない。次は3冠、最高の舞台でやりたい」。完全復活した男が、真の頂点に向けて動きだした。

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