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3冠陥落の曙 9年ぶり格闘技再挑戦へ


秋山(左)に敗れた曙はリング上で言葉をかけた

 全日本プロレスの3冠ヘビー級選手権試合が1日、青森・弘前市の青森県武道館で行われ、挑戦者・秋山準(46)が王者・曙(46)を破り、第53代王者に輝いた。約5か月間死守した王座から陥落した曙は試合後、社長でもある秋山に格闘技マットへの再挑戦を申し入れた。曙の意向をくんで受理される模様で、全日本所属からフリーになることは確実。曙が参戦を狙うのは、年末のあの格闘技イベントなのか――。

 

 あと一歩及ばなかった。体格差で上回る曙は規格外のパワーを武器に秋山を追い詰めたが、10分過ぎに狙ったヨコヅナインパクト(パイルドライバー)を阻止されたことが、勝負の分かれ目となった。

 

 試合後は「最後に取られるまでは攻めていたので、悔しいですよ。でもここで終わりじゃないから」と気丈に振る舞ったが、実は一方で、ある決意を固めていた。試合直後、超満員の歓声にかき消され言葉はハッキリ聞き取れなかったが、秋山に歩み寄ると、言葉を交わす。何かを真剣に訴える姿に、社長の秋山はポンと肩を叩いた。そしてこの日深夜に事態は動いた。関係者によると、曙は格闘技に挑戦するため、いったん所属を離れ、フリーになりたい意向を全日本側に伝えたという。

 

 2013年9月に全日本の所属になってからは、中心選手として活躍してきた。だが迷いが出てきたのは今夏のことだった。3冠王座を2度戴冠し、目標だったプロレス界の“横綱”に上りつめることはできた。一方で心残りだったのが、志半ばで撤退していた格闘技のリングだった。大相撲引退直後の2003年大みそかのボブ・サップ戦で格闘技デビュー。その後は総合と立ち技のリングに挑戦したが、13戦1勝12敗と結果が残せなかった。プロレスに専念してからはその思いを封印していたが、ここにきて「リベンジしたい」気持ちが再燃したようだ。

 

 しかし王者として団体をけん引する立場とあって“二刀流”は許されない。揺れ動く気持ちを隠すようにこの日のリングに立っていたが、王座陥落により気持ちが吹っ切れた様子だ。全日本所属のまま格闘技に挑戦することは、さまざまな問題も生じる。帝王・高山善廣(49)も2000年8月のノア旗揚げメンバーに参加するも翌年、総合格闘技「PRIDE」に参戦するためフリーになった。テレビ局などの問題があったためで、当時の三沢光晴社長(故人)は快く総合マットに髙山を送り出し、その後もノア参戦は継続された。

 

 全日本側も同様に曙の意思を最大限尊重し、認める方針だ。今後は15日の東京・八王子大会には出場するが、23日に後楽園ホールで開幕する暮れの祭典「世界最強タッグ決定リーグ戦」は欠場になる見込み。その後は格闘技との兼ね合いを考慮しながら、継続的に全日本に上がることになりそうだ。注目となる新たな戦いの場には新格闘技イベント「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND―PRIX」(12月29、31日、さいたまスーパーアリーナ)などが浮上する。曙は本紙に対して「格闘技に再挑戦? ハハハ。もう(ブランクがあって)できないですよ。いったい何を探っているんですか!?」とけむに巻いたが、9年ぶりの格闘技マット再上陸に向け準備は整った。

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