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“ヒットマン”誕生の瞬間「長州襲撃事件」


ブーツを手に長州(下)を襲う阿修羅原

【お宝写真館】“タフガイ”“ヒットマン”の異名を取り、天龍源一郎(65)との“龍原砲”で一時代を築き上げた阿修羅原さん(本名・原進=享年68)が4月28日に亡くなってから、もうすぐ四十九日を迎える。写真は原が“ヒットマン”と呼ばれる契機となった「長州襲撃事件」(1985年4月3日、山形県体育館)だ。

 

 原は前年10月20日の下関大会から「精神的スランプ」を理由に欠場。失踪を続けていた。しかしこの日突然会場に姿を見せると、前年に全日プロ参戦を果たしたばかりの長州力を襲撃。なぜか履いていたウエスタンブーツで長州の顔面を殴打して大流血に追い込んだ。

 

 本紙上では「馬場の差し金か!」(長州)、「さっぱり分からん」(馬場)というやりとりも掲載されており、現場の混乱を物語る。まだ“ヒットマン”の名称が定着しておらず、見出しは「長州、暴漢に襲われる」。誰がどこからどう見ても元ラグビー日本代表の原なのだが、暴漢扱いはあんまりだ…。

 

 新日プロでは前年2月3日の札幌大会で藤原喜明が長州を襲い“テロリスト”と呼ばれるようになった。それだけに二番煎じのイメージは拭えなかったものの、希代のタフガイは、妖気漂う藤原とは真逆のゴツゴツした全力ファイトで、このチャンスを一気にモノにする。

 

 この日は無言で引き揚げたが、2週間後の4月16日には地元長崎・稲佐山の山中で特訓している姿を本紙がキャッチ。初めて原は“ヒットマン”と表記され「レスリングをやる気がなくなっていたが、長州たちが全日本で暴れているのを見て頭に血が上った。一日も早くリングに上がりたい」とコメントしている。

 

 原は4月19日の神戸大会でも長州を襲撃。24日の横浜大会でようやく約半年ぶりの全日プロ復帰戦(天龍、原組対長州、浜口組)が組まれたが、天龍の頭にイスを振り下ろし「俺は一人でやっていく!」と宣戦布告し、試合放棄。これ以降、中堅選手とのシングル戦はほとんど1分以内にラリアートでケリをつけ“ヒットマン”の名称が完全に定着するようになった。

 

 その後、原は天龍、長州との抗争を経て、87年6月の龍原砲誕生へ向かうことになる。ヒットマン誕生までデビューからわずか7年。まさに太く短い、波瀾万丈のプロレス人生だった。改めて合掌。

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