GHC強奪・森嶋が暴君と化す
プロレスリング・ノアが大激動の2014年を迎えた。5日の東京・後楽園ホール大会で森嶋猛(35)が、年間最多防衛記録V9を樹立したGHCヘビー級王者・KENTA(32)を撃破。約1年ぶりに王座を奪回すると、所属チームを離脱した上に新軍団を結成。昨年、ケガに泣かされたクロフネが怒とうの逆襲に転じた。
新年早々、森嶋が方舟マットの勢力図を塗り替えた。ノア再建の立役者となり東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞殊勲賞にも輝いたKENTAに挑んだ森嶋は、怪物の底力を発揮。場外戦では床にDDTで突き刺し、ヒップアタックで鉄柵との挟み撃ちにする。
リングでも勢いは止まらない。スワンダイブ式ラリアートをキャッチしてネックブリーカーで叩きつける。側頭部を容赦なく蹴り飛ばされてもカウント2でハネ返し、必殺のゴー2スリープも2発耐え抜いた。
そして20分過ぎ、カウンターの首折り弾を命中させた森嶋は一気に勝負に出た。張り手の連打で最後の抵抗を見せるKENTAをモリシ・ハンマー一撃で鎮圧。垂直落下式脳天砕きと首折り弾で畳み掛け、この日2発目の岩石落としでトドメを刺した。
観客の「KENTA」コールをかき消し、長期政権を崩壊させた森嶋は「俺がベルト取ったんだ。欲しいヤツ、出てこい、コラッ」と絶叫。昨年のグローバルリーグ戦覇者・永田裕志(45=新日本)が「俺にリベンジしたくないか?」とあくまでも上から目線で名乗り出ると、森嶋は「逃げるわけないだろ!! かかってきなさい」と即諾。昨年11月のリーグ戦で永田に敗れており、2・8後楽園大会でのV1戦が決定的となった。
3度目の戴冠となった森嶋だが、過去の王者時代とはまるで別人だ。同じBRAVEの丸藤正道(34)に突如岩石弾を発射すると、仲間たちを次々と蹴散らす大暴走。さらにはマイバッハ谷口(37)、拳王(29=みちのく)と新軍団を結成してしまった。
「BRAVEとかノーマーシーとか関係ねえんだ、オラッ。俺がノアを仕切る」。これで発表済みの1月シリーズは対戦カードをすべて変更せざるを得ない状況となった。
突然の豹変にはたまりにたまったウップンがある。昨年1月、KENTAに至宝を奪われた後、右肩や左ヒザの負傷で6月から4か月間の欠場を強いられた。森嶋は「去年? 忘れたよ」と不機嫌そうに吐き捨てるのみだったが、負のエネルギーが爆発した形だ。
何はともあれ、いきなり“暴君”と化した森嶋の動向から目が離せない。
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