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【新日プロ】外国人社長が激白した「プロレス愛」と「海外戦略」


内藤哲也バージョンの「マネくま」を前に未来を語るメイ氏。右は木谷オーナー

 新日本プロレスの新社長にハロルド・ジョージ・メイ氏(54)が就任することが13日までに本紙の取材で分かった。大手玩具メーカー「タカラトミー」をV字回復させた敏腕社長として知られるメイ氏は、本紙の取材に応じ野望を激白。親会社ブシロードの木谷高明オーナー(57)が招聘した“大物助っ人外国人社長”の誕生で、新日プロは国内外で新たなステージに突入する。

 新日プロ9代目にして史上初の外国人社長となるメイ氏は、少年期を日本で過ごしたこともあるオランダ出身の実業家だ。日本コカ・コーラなど数々の一流企業を経て、2015年6月にはタカラトミーの社長に就任。赤字経営だった同社を黒字に転換させた立役者として知られている。

 そんな経済界の大物は実は大のプロレスファン。新日プロとタカラトミー社のコラボ商品「マネくま」(熊のぬいぐるみ)も、メイ氏が直接団体に出向いて提案し実現したもの。経営能力のみならずプロレス愛まで兼ね備えたメイ氏が17年12月末にタカラトミー社社長を退任したことを機に、木谷オーナーが新日プロの社長就任を打診した。23日の株主総会で正式に承認される見込みで、6月1日付で就任する。 

 流ちょうな日本語で本紙の取材に応じたメイ氏は「日本のプロレスの質はものすごく高い。うまくやればもっとワクワクするプロレスが生まれる。眠っているポテンシャルのある会社を大きくしたいっていうのが、自分が一番やりたかったことなんですよ。しかもそれが好きなものだったらもっといいじゃないですか。好きなら心も本気で入る」と所信表明した。

 いわゆる「プロ経営者」を招き入れた最大の理由は、海外戦略の強化だ。米国WWEに次ぎ世界ナンバー2の団体としてその地位を確立した新日プロだが、昨年の年間売り上げ差は実に約21倍(WWEの約800億円に対して新日プロは約38億円)。最も差をつけられているのがネット動画配信などのデジタルメディア収入(WWEは新日本の約65倍)や、ライセンス収入(同約58倍)の部分だ。

 木谷オーナーは「そこに圧倒的な差がある。メイさんが得意なのはブランディングやマーケティング。次のステージに行くために必要なところが非常にお強い。6か国語をしゃべれますし、アメリカのマーケットを本気で開拓したかったら、今のままじゃ無理ですよ」と、今回の人事により世界ナンバーワン団体を目指す本気度をうかがわせた。

 米国では7月にサンフランシスコの約1万人規模会場でビッグマッチを予定している。「スポーツでもライブでも、米国で1万人入れられるものは(日本だと)東京ドームがいっぱいにならないとおかしいんです。東京ドームをいっぱいにできるアーティストが米国でライブやったって2000ですよ」と持論を展開した木谷オーナーは「もうひとつは国内でもさらなるマーケットの拡大、ブランディングですよね。テレビの放送時間もいつまでも深夜2時ではいけないですよね」と、新社長の手腕に期待を寄せた。

 12年のブシロード体制発足後、新日プロはメディア戦略を活用して業績をV字回復させた。メイ氏はその復活劇の第2章を担うことが自身の使命だと力説する。「東京ドームに何万人という数字よりも、大きなことをやろうとしている。選手、組織、市場。その3つがトライアングルで成り立たないといけない。日本のスポーツ界は組織と市場が自動でついてくるものだという甘えがある。それを意識的につくっていく会社こそが、ものすごく大きくなれるんじゃないかな。スポーツマーケティングのお手本をつくりたい」(メイ氏)。世界一のプロレス団体を目指して、新日プロが次なる一歩を踏み出す。

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