女子プロレス「アイスリボン」3日の神奈川・横浜ラジアントホール大会で行われたトライアングルリボン選手権は、王者の鈴木秀樹(38)が初防衛に成功した。

 2月24日横浜大会でマット界随一の偏屈者が第26代王者に就いたことで、同王座はあらぬ方向へ。団体名を日本語に変換した「氷結(ひょうけつ)相撲」なるブランドを勝手に立ち上げ「氷結相撲巴戦」なる新名称で今回の初防衛戦が行われた。

 会場入り口には、まるで両国国技館のようにのぼりが立てられ、試合前には藤本つかさ取締役選手代表(34)が甚句を披露。行司まで登場し、タイトル戦を盛り上げた。挑戦者につくし(20)、王者からの推薦者として謎の覆面戦士・氷結(年齢不詳)を迎えた3WAYマッチ形式で行われた一戦で、やたら存在感を出したのが氷結だった。

 鈴木がジャイアントスイングをつくしに決めると、なぜか氷結はその横で四股を踏みだす始末。さらに試合そっちのけですり足やてっぽうを続けたため、会場はカオスな空間になった。体格だけを見れば鈴木と親交のある元力士にどことなく似ていたが、果たして…。

 試合は鈴木が真・ビーナスクラッチ(変型足折り固め)で、つくしから3カウントを奪って勝利。試合後には弓取り式まで行われた。何だかよく分からないままベルトを守った鈴木は「ここに至るまでの経緯で、あまりに望まれていないのを実感しました。会場の空気も明らかに受け入れられていなかったですね。これはいったん休止も考えなくちゃいけないなと。一門は解散し、私は一兵卒として、アイスリボンの一選手としてやり直したい」とどこかで聞いたことがある言葉を交えながら「氷結相撲」の凍結を口にした。

 ところが舌の根も乾かぬうちに「やっぱり、もうちょっとやりたいな。次の推薦者はつくしです。挑戦者は追って連絡します」と一転して継続開催を示唆。アイスリボンは今後も厄介な男に振り回されそうだ。