超花火プロレス「電流爆破フェスティバル」(28日、エディオンアリーナ大阪第2競技場)で女子の電流爆破戦線が新局面に突入した。女子プロレス界のカリスマ・長与千種(53=マーベラス)が爆女王から陥落し、シードリングの世志琥(24)が第2代王者に輝いたのだ。しかも新世代に後を託した長与は爆女王戦線からの“卒業”を電撃表明。カリスマはどこに向かうのか――。

 試合は長与が持つベルトをかけて世志琥、藤田あかね(31=アイスリボン)、そして“極悪覆面女”ブードゥー・レディーマスクに扮したTARU(53)による4WAYマッチで行われた。しかも4本の電流爆破バットのうち3本はダミー。1本だけ爆薬が仕掛けられた「ロシアンルーレット方式」が採用され、これが命運を分けた。

 TARU、世志琥、藤田が順番にバットを振るがいずれも不発。13分過ぎに最後の1本を手にしたTARUがフルスイングすると、ついに藤田が被弾した。長与がTARUともみ合う最中に“漁夫の利”とばかり世志琥がトドメのダイビングセントーンで藤田をフォール。初の爆破戦で、一度も爆破を経験しない新王者が誕生という異例の結果となった。

 それでも「爆破するまでもなかったということ。このベルトがアタイの元にある。それが事実なんだよ!」と豪語した世志琥にアイスリボンの世羅りさ(26)が視殺戦を仕掛けるなど、今後は若手勢を中心に爆女王戦線が動きだしそうだ。

 一方の長与は「悔しいけど、うれしいね。そのベルトを死ぬ気で守ってくれますか!?」と後継者に指名した世志琥に念押しすると、自身の去就について「爆女王からは卒業します。次は面白い仕掛けがあったら(参戦する)。だって長与千種は大仁田厚だから」と超花火プロレスからの撤退を表明した。

 関係者によると、長与は爆女王とは別の新たな女子爆破マットを創設する方針だ。すでに他の女子団体と交渉に入っており、新たな女子王座の設立も視野に入れている。邪道・大仁田厚(60)から受け継がれた女子電流爆破マッチは、長与と世志琥に枝分かれして継承されることになる。