暮れのマット界に衝撃が走った。“平成のテロリスト”村上和成(44)が27日、女子プロレス界で蛮行を働いたのだ。

 村上はこの日、年内最後の「村上会」定例会を開催するため、報道陣を招集。しかも、場所は埼玉・蕨市にある女子プロレス「アイスリボン」のオフィスだった。年の瀬の多忙な時期に集合をかけられた報道陣にとっては迷惑千万な話で、誰もが不服そうな表情だった。

 しかもこれを笑顔で出迎えた村上は、いつものように独演会を開始した。

「オウ、お前らよく来たな。今日からここが村上会の新オフィスだ。正月明けには看板が届くから、週に1回は定例会を開くぞ」という説明に始まり、まずは2017年を総括。これがまた長時間にわたり、年末格闘技イベントで行われる恒例の大会総括をはるかにしのぐボリュームだった。

 要約すると、5月に結成された村上会は当初、IGFのブランド「NEW」マットを席巻して勢いづいたが、NEW凍結で行き場を失った。これは村上会にとって看過できない問題で、今後は男子に見切りをつけ、女子を標的にするという内容だった。

 さらに報道陣の質問を受け付けることなく「して、勝負の年となる2018年はだな~~」と来年の展望を口にした瞬間だった。

「ちょ、ちょっと ここで何をしているんですか」と怒声を上げて現れたのが、アイスリボンの取締役選手代表で本紙連載コラム「東京プロレス娘のスイーツトーク」を担当する藤本つかさ(34)だった。

「いったいどうやって事務所の入ったの!? しかもマスコミさんまで勝手に…。これは明らかに不法侵入ですよ」と抗議し、強制排除しようとした。ところが…だ。村上は力でねじ伏せると、猿ぐつわをはめた藤本を捕獲。そのまま事務所前に止めていた電動自転車の後部座席に乗せて逃亡した。

 テロリストともあろう男が自転車というのも意外だが、自宅から近距離だったようだ。それから約1時間後、髪は乱れ、化粧も落ちてスッピン状態の藤本は放心状態で事務所に帰ってきた。そして「わ、私が何をしたんでしょうか…!? む、村上和成の口からアイスリボンの名前が出たから『何だろう?』ってSNSで反応しただけなのに。言われたのは『俺がロックオンすることに理由はない』と。あとのことは何も覚えていません、ああ…」と声を絞り出した。

 あまりの恐怖体験からか、一部の記憶も失っているようだ。とにかく村上が女子プロ界でも人気の美女レスラーに猿ぐつわをはめ、拉致まがいの蛮行を働いたのは事実。アイスリボンでは30日に道場マッチ(蕨)、31日には後楽園ホールで年内最終興行を控える。

 団体では再度の襲撃に備えて通常より警備態勢を強化するほか、事務所のセキュリティーも見直す方針。暮れのアイスリボンマットにテロリストは現れるのか、それとも――。とんだ男に標的にされた人気団体が大ピンチに陥った。