新エース誕生となるか。女子プロレス「アイスリボン」の神奈川・横浜文化体育館大会は26日、大盛況で幕を閉じた。

 メインではICE×∞王者の藤本つかさ(35)が2度目の防衛戦で美女戦士の雪妃真矢を迎え撃った。互いに譲らない激闘の末、最後はフットサルの経験を生かした必殺のビーナスシュート(三角跳び式延髄斬り)で3カウントを奪取。

 年間最大のビッグマッチで自らの10周年を祝福すると「10年プロレスを続けてこられたのは、ゆき(雪妃)たち後輩がライバルになってくれたからです。こういう仲間が欲しかった。だから心から叫びます。ありがとう!」と涙を浮かべた。

 前回の横浜文体は2016年5月4日。同大会で藤本は中島安里紗との名コンビ「ベストフレンズ」で、スターダムの「サンダーロック」(紫雷イオ、岩谷麻優組)との対戦が浮上した。女子プロ界の最高峰対決として期待が高まるも、両団体の交渉は決裂。実現には至らず、その後もイオと絡むことはなかった。

 ところが今年6月中旬のこと。WWE入りが決まった渡米前のイオとある会合で同席する機会があった。「向こうはどう思ったか分からないですけど、前回の文体でわだかまりがあったわけじゃないですか。そういう意味では最後に話せて良かった。『昔は組みましたよね』という話とかできましたし」

 2年間、心につっかえていたものが消えた。同時に業界エースの座を“バトンタッチ”された瞬間でもあった。

 目標とする「女子プロ界を全盛期に戻す」ために当時を知る豊田真奈美(47)にスーパーバイザー就任を要請し、今後の野望に「地上波中継」「東京ドーム大会開催」を掲げた。果てしなき道のりへ向け、新たな挑戦が始まった。