ドラゴンゲート20日の大田区総合体育館大会で、飯橋理貴(りき=25)、偉進(いしん=23)兄弟がデビューを果たした。

 2人の父は維新力、母は元LLPWの穂積詩子さんで、両親ともにレスラーという日本初の〝サラブレッドレスラー〟だ。ついに迎えたデビュー戦では兄弟タッグを結成し、ドン・フジイ、神田裕之組と対戦した。

 兄の理貴はショートタイツで、弟の偉進はツーショルダーのコスチュームに母・詩子さんが現役時代に愛用した〝ジュリ扇〟を手に入場。いきなり神田にダブルのぶちかましを浴びせ、雄たけびをあげた。さらに理貴は神田に対し、父の得意技・アルカトラズ(変形キャメルクラッチ)を繰り出して食い下がっていく。

 だが、ベテランタッグの壁は高かった。フジイのHIMEI(逆エビ固め)に捕らえられた理貴を偉進が救出に訪れるも、強烈なラリアートを浴びてまたも窮地に。最後はフジイののど輪落としから神田のダイビングエルボードロップに圧殺されてしまった。

 勝利こそ飾れなかったものの念願のデビューを果たした理貴は「今はすごく悔しい。必ずこの借りは返す。弟と高め合って、強くなって、次は必ず勝利をつかめるように頑張ります」とさらなる精進を誓った。父直伝のアルカトラズについて「次はあの技で勝利できるように」と思い入れを明かしつつ今後の目標として「ドラゴンゲートを日本一にできるレスラーになりたいです」と目を輝かせた。

 弟の偉進も「正直言って歯が立ちませんでした。まだまだ修行、鍛錬が必要」と課題を口にする一方で「(デビューは)両親の名前があってこそだと思うので、飯橋偉進という一レスラーとしての価値を高めていきたい」とキッパリ。「ドラゴンゲートと自分の名前を大きくしていたい」と、兄と同様に「二世レスラー」の肩書に頼らない1日も早い自立を目標に掲げていた。