ドラゴンゲートの〝スピードスター〟こと吉野正人(41)が、1日の神戸大会で21年間のプロレス人生にピリオドを打った。

 メインのタッグマッチで名タッグ「ドイヨシ」の盟友・土井成樹と組み、極悪軍団「R・E・D」のEita、B×Bハルク組と対戦。ドイヨシの連係とスピーディーな動きで翻弄したが、最後はEitaのインペリアル・ウノ(トラースキック)2発に沈んだ。

 2000年9月にメキシコでデビューした吉野は、17年に頸椎ヘルニアと中心性頸椎損傷を負い20年内の引退を発表。新型コロナウイルス感染拡大の影響で引退を1年延期し、この日を迎えた。

 引退セレモニーでは野球界、サッカー界だけでなく、後輩の新日本プロレスのIWGP世界ヘビ―級王者・鷹木信悟からのビデオメッセージが流された。また本紙からは13年度の東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」で技能賞を受賞した際の写真パネルが贈られた。

 吉野は「21年前に東大阪を飛び出してメキシコに渡って校長(ウルティモ・ドラゴン)に拾ってもらって育てていただいて、またこうして校長と再会もできてこのリングに立っていること、そしてここにいる仲間、このメンバーと最後までプロレスができたこと、本当に誇りに思います。こんなに幸せでいいんかと思うくらい最高の気持ちです」と感無量の表情を浮かべた。

 また、土井については「ドイヨシが初めて出会ったのは俺たちが9歳か10歳の時でした。偶然、近くの公園でお互いの存在を知らずに草野球をしたことが彼とのスタートでした。そこから会うこともなくて再会したのがメキシコの道場。これも運命じゃないですか。土井ちゃんありがとう」と感謝の言葉を述べた。

 最後は「俺はスピードスターとして21年、走りきったぞ! これがスピードスターや! 俺が吉野正人や! 最後にもうひと言だけ言わせてください。21年間、本当にこんな俺を応援してくれた皆さん、ありがとうございました!」と絶叫。希代のスピードスターは永遠にファンの記憶に刻まれる。