ドラゴンゲート4日の東京・後楽園ホール大会で行われたオープン・ザ・ドリームゲート選手権は挑戦者のPAC(32)が吉野正人(38)を破り、第28代王者に輝いた。

 約6年間在籍したWWEを退団し、10月の電撃復帰後は極悪軍団「R・E・D」に加入。さっそく王座戦前の国歌斉唱時に王者を襲撃する不届き千万ぶりを見せつけた。

 試合ではソル・ナシエンテに捕らえられ窮地に陥ったものの、間一髪でロープに避難。雪崩式ファルコンアローを敢行して形勢逆転に成功する。王者の反撃も強烈な首折り弾、ジャーマンスープレックスで封じ込めると、最後はブラックアロー(360°シューティングスタープレス)で華麗に圧殺した。

 リコシェ(現WWE)に続く史上2人目の外国人ドリーム王者となり「グレートな気分だ。以前はこのベルトに近づくことさえできなかったが、今回は2か月で王者になれた。俺こそ有言実行の男だ」と勝ち誇った。

 かつての品行方正な姿は、ストイックな練習態度を除けばどこにもない。「誰の挑戦でも受けるし、エキサイティングな試合をする自信はあるが、俺に勝てるヤツなんてそうはいない。それに日本のファンなんかよりクリスマスのほうが大事。次のタイトルマッチは来年だ」と年内最後のビッグマッチとなる23日福岡国際センター大会での防衛戦を拒絶した。

 とはいえWWEでクルーザー級王座を2度獲得した実力は疑いようもない。現役バリバリのまま古巣に帰還した“メジャーリーガー”に頂点を奪われたドラゲーマットが混沌としてきた。