1日のDDT横浜武闘館大会でKO―D無差別級王者の遠藤哲哉(30)が、上野勇希(26)を退けて初防衛に成功した。

 両者は戦前から火花を散らしてきた。エルボー合戦で幕を開けると、遠藤が場外で上野を持ち上げ、エプロン付近に叩きつける。その後は王者がダメージを負った相手の腰を痛めつけ、一方的な展開になるかと思いきや、上野もジャーマンやWRなどで反撃に出た。

 一進一退の攻防が続き、上野のスリーパーに苦しめられる場面もあったが、最後は遠藤がバーニングスタープレスを決めて3カウントを奪取。ベルトを守った。

 試合後はボロボロの状態になりながらバックステージに向かう上野に「ちょっと待て」と声を掛けた。「悔しいか、どうなんだ。自分の声で言ってみろ」と問いかけると、上野は小さくうなずいた。これには遠藤も「その返事が聞きたかったんだよ」とした上で「この試合、この悔しさをお前の信念で楽しさに変えたとき、もう1回相手してやるからな」と再挑戦を歓迎した。

 バックステージで試合を振り返った王者は、上野について「見ている人(ファン)がもうちょっとだったなと思ったなら、ベルトに指がかかったんじゃないですか。決めるのは俺ら内部の人間じゃなくて見ている人。でも、DDTの期待値は上がったんじゃないですかね」と冷静に分析する。

 次期挑戦者には「俺が指名する形ではなく向こうから来てほしい。自信があるなら誰でもいいです」と立候補を熱望。さらに団体をけん引する覚悟で「選手それぞれが自分の思う形でDDTを背負って、それをまとめるのが俺の使命だと思うので、全員でDDTを盛り上げていきたい」と力を込めた。