DDT「TV SHOW!」が23日に配信され、レギュラー参戦2戦目となった全日本プロレスの秋山準(50)が渡瀬瑞基(29)に厳しい洗礼を浴びせた。

 先週大会で秋山とタッグ戦で初対戦した渡瀬は、試合後に「ゲストコーチならシングルでコーチしてくれよ!」と一騎打ちを要求。秋山も快諾してこの日の試合が実現した。

 登場時から秋山は見る側が凍りつくような冷酷な存在感を放つ。しかし自ら志願した一戦とあって渡瀬も視線をそらさない。何とゴング前に大胆にも秋山の必殺技ジャンピングニーで奇襲を仕掛け、場外に転落させてしまう。渡瀬はしてやったりの表情だ。

 しかしこの一撃で完全にブチ切れた秋山は強烈なエルボーを連射。ほとんどケンカ腰の状態で場外へ突き落とす。エプロンに渡瀬を乗せると後頭部へニーを発射。さらには危険な角度からパイルドライバー、ニーリフトと一気に出る。ダウンした渡瀬の顔を「顔が死んでるぞ!」と罵倒しながら踏みつける非情さで、無観衆の会場には表現しようのない緊張感が漂った。

 それでも負けん気が強い渡瀬は立ち上がり続けた。打点の高いドロップキックを決めるや、逆に秋山の顔面を踏みつけ、コーナー最上段からのミサイル弾を放つと、まさかのバックドロップの態勢に入る。

 しかし秋山は、クラッチを離さずに道場のスパーリングのような強引なヘッドロックでギリギリと締め上げる。これで終わりかと思いきや、渡瀬が最後の力を振り絞って顔面ウオッシュからキャノンボールボム、そして高角度のバックドロップで王道の正統継承者を投げ捨てた。大した度胸だ…。

 エクスプロイダーを三角絞めで未然に防ぎ、ランニングニー4連打も何とかカウント2・9で返した渡瀬も、ここで力尽きた。最後は秋山がフロントネックロックで意識を奪ってから、高角度のエクスプロイダーを爆発させる。ゲストコーチが厳しいレッスンを施す格好で完璧な3カウントを奪った。

 試合後は一転して軽い笑みを浮かべつつ、前のめりになりながら向かってくる渡瀬の顔を上げると、一瞬だけ健闘を認めるような表情を見せてリングを下りた。完敗を喫したとはいえ、渡瀬が秋山に爪痕を残した一戦だった。

 またDDTユニバーサル王者・佐々木大輔(34)は前王者クリス・ブルックス(28)、吉村直巳(25)との3WAY戦を制して2度目の防衛に成功した。