【DDT】HARASHIMA KO―D無差別級王座V1も挑戦者・飯野を絶賛

2019年11月24日 16時57分

初防衛に成功したHARASHIMA

 DDT24日の東京・後楽園ホール大会で、KO―D無差別級王者HARASHIMA(年齢非公表)が、国士舘大学ラグビー部出身の新星・飯野雄貴(25)を撃破し初防衛に成功。王者として最強決定リーグ戦「D王 GRAND PRIX 2020」(29日に横浜で開幕)に出陣することになった。

 開始からフィジカルとパワーで勝る飯野が徹底的に前進した。デビューからわずか2年3か月と、同王座史上最短奪取記録(記録は竹下幸之介の3年9か月)の大幅更新という期待を背負い、開始から125キロの体を躍動させる。エプロンの王者にロープ越しのスピアーを見舞うと、鮮やかな先手を取った。

 しかし、続けざまに場外で放ったスピアーは、キャリアではるかに勝る王者が寸前でエスケープして鉄柱に自爆させる。試合はまるで闘牛士と猛牛、大学のベテラン教授と体育会のおバカ学生のような「キャリアと場数VS突進力」の戦いの様相を呈してきた。

 ベンチプレスMAX205キロの飯野は、国士舘大時代はスクラム最前列の左プロップながら、東京・保善高時代はBKの左CTBという異例の経歴を持つ。つまりFWの馬力に加え、BKのスピードと突破力も保持しているわけだ。オールブラックスのハカからエルボー、さらにはカナダ式背骨折りとバカ一直線、いや、愚直なまでの猛攻にさすがの王者も防戦一方となる場面もあった。

 それでも2冠(もうひとつはEXTREME級王座)を保持する王者は冷静に展開を読んでいた。背骨折りは頭上でのヘッドロックで逆に捕獲。さらにクロスフェースロックでギリギリ締め上げ、無情な顔面蹴りを十何発も叩き込んでいく。

 解説席の“荒鷲2世”坂口征夫(46)が「ここからがHARASHIMAさんの本当の怖さ。(相手のスタミナを)削りに出てきた時が一番怖い」と評したように、巧みなグラウンド戦で若き挑戦者の肉体を少しずつ切り刻み、最後は必殺の蒼魔刀で完全KO。終わってみれば、王者が若き挑戦者を完封する圧巻のV1劇だった。

 HARASHIMAは失神してセコンドに担がれて退場した飯野の背中に向けて「すごい素材。パワー、フィジカル、ポテンシャル、全部が想像以上でした。飯野君、ありがとう。君はすごかったよ。僕もちょっと危ないと思った」と最大級の賛辞を贈った。

 これで「D王GP」には王者として出陣。「もちろん優勝してやるさ~」といつも通り笑顔で締めくくったものの、同じBブロックには初出場の弾丸男・田中将斗(46=ゼロワン)、坂口、KO―Dタッグ王者のカリスマ・佐々木大輔(34)、高尾蒼馬(31)ら難敵がひしめき合っており、参加選手は誰一人として星勘定ができないのが実情だ。

 HARASHIMAは開幕戦でいきなり坂口と激突。田中とは12月15日の原宿大会で対戦する。早くも荒鷲2世は「しょっぱなから殺(や)ってやるよ」と殺気に満ちた眼光で宣戦布告を放っており、大波乱のスタートもあり得る状況だ。

 しかも王者が優勝を逃した場合は、D王覇者との無差別級王座V2戦は来年1月26日の後楽園で確定している。さらにはEXTREME級V3戦(1月12日の大阪=対戦相手は未定)も決まっており、王者にとってはイバラの道が続く。DDT真冬の最強決定戦に大嵐の予感が漂い始めた。

 またセミのKO―Dタッグ選手権は王者の佐々木、高尾組がクリス・ブルックス(28)、高梨将弘(36)組を撃破して9度目の防衛に成功した。