DDTは23日、年間最大興行となる11月3日両国国技館大会の全体会見を東京・神田明神で行い、DDT全ブランドの35選手が集結した。

 東京女子プロレスのプリンセスタッグ王者でタレント兼プロレスラー・赤井沙希(32)とは全く無関係の別人とされる高貴なる沙希様は、操とのコンビで辰巳リカ、渡辺未詩組とV3戦を行う。

 この世のものとは思えない美意識を貫き、明らかに挑戦者組とは別世界の美しさを全開にした沙希様は「皆さま、ごきげんよう。わたくし、何度この挑戦者たちの顔を続けて見ればよろしいのかしら?」と、赤いバラを手にしつつ挑戦者を高飛車に見下した。8月にも神田明神で似た美女を見た記憶もあるが、気のせいだろう。

 それでも辰巳と渡辺はけなげに大舞台での快挙をアピール。下界の人間の言葉など聞く耳も持たない沙希様は「何度も何度もやってる割には懲りない子たちね…。頭が高いわ。下がりなさい!」と、最後まで「高嶺の花」的態度を崩さなかった。

 同じく東京女子のプリンセス・オブ・プリンセス王者・中島翔子(28)は坂崎ユカの挑戦を受ける。

 王者は「両国国技館で東京女子のタイトル戦が行われるなんて…。アンダーマッチではなく本戦で坂崎ユカと戦えるなんて夢のようです。どっちの団体愛が深いのかを争う戦いになる。とにかく試合を見てほしいです」と胸を張った。

 受けた坂崎は「東京女子は生まれた時は『異質物』でした。でも両国という大舞台で知ってもらえることで、皆さんが触れたくなるキッカケができればと思う」と団体の飛躍を誓った。

 また第1試合で行われる“世界一大人げない経営者”高木三四郎社長(49)対木高イサミ(38)戦は、ほとんどハードコアマッチの「プラケース100個マッチ」(注・プラケースは会社経費)に決定した。

 大社長は「第1試合はメインと同じくらい大事なんだ。興行のベストバウトにする。俺はお前に交渉や縦社会とか(かなり中略)いろんなことを教えてやれるが、何より大人げなさをお前に伝えたい。2019年で一番狂った試合にしよう」と妙に上から目線で語った。

 受けたデスマッチの達人・木高は「僕は十分狂ってると思いますが、高木さんの大人げなさを学びたいと思う」と傷だらけの体をさすりながら勝利を誓った。

 第2代KO―D10人タッグ王座決定戦(男色ディーノ、朱崇花、飯野雄貴、瑞希、トランザム★ヒロシ組対スーパー・ササダンゴ・マシン、まなせゆうな、黒潮“イケメン”二郎、大和ヒロシ、大石真翔組)は両チームのキャプテンが代表コメントした。

 都内の厳戒態勢で全体写真撮影に遅刻したマシンは「東京駅から神田明神まで全然近寄れませんでした…。我々が勝てると思っている人はいないでしょうが『ONE TEAM』の精神で頑張りたい。250日合宿します(注・物理的に不可能)」と明らかに時流に乗った熱血的セリフを口にした。

 受けたディーノは「私はDDTに文科系プロレスを取り戻したい。上下関係を気にせず自己表現しようということです」と学生プロレス出身者らしく、ラグビー日本代表史上初のW杯ベスト8進出に沸いた国内の流れに逆らうかのようなイデオロギーを提示した。

 さらには「そもそもこのベルトなんて取っても何の自慢にすら…」(マシン)、「根本から否定するなあ!」(ディーノ)と激しい剣幕でやり合う一幕もあった。

 またスペシャルマッチで約5年ぶりのDDT参戦を果たすケニー・オメガ(36=AEW)は、里歩と組んでアントーニオ本多、山下実優組と激突。ケニー組は欠席となったが、第一声から独特の世界にいきなり突入した本多は「思えばスイッチの入ったことがない人生でしたが、プロレス業界で一番ふさわしくない人間の私が、ケニー選手と戦うことでスイッチが入ってしまった。山下さん、すいませんね。こんな私で…。帰り道にファンが『アントーニオ本多、カッコいいよね』と言っていただけたらうれしい」と最後までよく分からない言葉で決意を表明した。