タレント兼プロレスラー・赤井沙希(32)の“生ける化身”とされる娑鬼(さき=年齢不詳)が本紙既報通り、25日のDDTの東京・後楽園ホール大会に降臨した。

 娑鬼は米国の怪奇派シュー・ヤン(30)と組んで朱崇花(20)、真琴(29)組と激突。21日に東京・神田明神に突如降臨した際と同じように、黒いコスチュームに全身を包んで登場した。ただし戦闘モードに入ってるためか、赤い浴衣や紅葉の木などあでやかな装飾品は皆無。ひたすら人間の不条理を憎むかのように全身から女の迫力と憎悪、そして美しさを全開にして敵軍を脅かした。

 娑鬼は1945年8月15日の終戦と同時に夫の戦死を知らされ、同時に京都の山奥で隠とん生活を始め、32歳で時間が止まってしまったとされる。その怒りをリングにぶつけるように、この世のものとは思えないゾンビのようなフラリフラリとした動きで会場を恐怖のどん底に陥れた。さらには長い脚を使ったラフな蹴り、タランチュラ式アームバー…想像をはるかに超えた殺傷能力だ。

 夏休み最後の日曜に集まったちびっ子たちもただただ絶句。娑鬼はレフェリーにまで攻撃すると、真琴に向かって鮮血とおぼしき赤い毒霧を噴射。最後は攻撃権があるシューと2人でレフェリーの両腕をかんだため反則負けとなった。

 その後も制止に入った渡瀬瑞基(28)、吉村直巳(24)にもかみつき攻撃。コーナーに上るや再度赤い毒霧を噴射して、ユラリとリングをおりた。

 もちろん報道陣の質問に答えることなく「……」。そのまま下界の人間を正面から鬼のような視線で見据えると、少しずつ透明になっていき、やがてその場から姿を消した。継続参戦があるかどうかも不明。再び京都の山奥に戻る可能性が高いが、気がつけば晩夏の夕暮れ、あなたのすぐ隣に娑鬼がゆらりと立っているかもしれない。