【DDT】“左足負傷”の王者・遠藤 竹下幸之介をだまし討ち

2019年06月30日 18時25分

竹下幸之介(上)を担ぐ遠藤哲哉

 DDT30日の東京・後楽園ホール大会のメインは、ハチャメチャな大混乱となった。

 7月15日の大田区決戦で、KO―D無差別級王者・遠藤哲哉(27)に挑戦する若きエース・竹下幸之介(24)が、クリス・ブルックス(27)、高木三四郎(49)と3WAY戦に臨んだ。本来は遠藤が出場するはずだったが、王者は19日の墨田区大会のプールマッチで左足を負傷。この試合で「いつでもどこでも挑戦権」を行使して、ケガの元凶となった大社長が緊急出陣した。

 大一番を前にエースの背中を押すと思いきや、私利私欲に走った大社長は自転車、ラダー、机、プラケースを投入し本気で勝ちに出る。開始当初は竹下、クリスから目もかけられず、若い社員の飲み会で浮きまくる管理職、あるいは公園の少年野球に割り込む謎のおっさん的な悲哀を全身全霊で表現。大社長の勝利にかける大人げない必死な姿勢に、1031人満員の観衆は大声援を送った。

 その姿に心を打たれたのか、あるいは単にバカ負けしたのか、竹下とクリスも熱い攻防で応じ始める。新車とおぼしき自転車のチェーンと後輪がさっそく壊れるアクシデントの末、試合は3WAY戦本来の激しい攻防に転じた。最後はプラケースに自爆した高木を、竹下がジャーマンで葬った。

 竹下は次々期挑戦(7月21日、後楽園)が決まっているクリスに対して「クリス! ネクスト・コウラクエンホール、クリス・ブルックスVSタケシタ・コウノスケ、アイ・プロミス・ユー」と非常に分かりやすい英語で193センチ、85キロのクリスにメッセージ。くしくも53年前の1966年、ビートルズが日本武道館で初公演を行った歴史的な日に実力を見せつけた英国人は、自信満々の笑みでこの言葉に応じた。

 続けて竹下は「高木三四郎、大田区でもう一度、俺がベルトを巻いた際には次はシングルマッチでお前とタイトルマッチをやったるから。高木三四郎のままで、まだまだいてくれよ」と49歳にして自分が目立ちたくて仕方がない欲望を捨てきれない大社長にエールを送った。

 するとこの後に松葉づえ姿の遠藤がリングイン。「竹下、こんな状況になってお前の言う強さの意味が分かった気がする。今の俺は弱いかもしれない。でもどんな状態でも大田区のメインに立るから…」と妙に弱気な言葉を吐いた。しかし「くれぐれも負けた時の言い訳にせんといてくれよ」と言い残して去ろうとした竹下を、何と背後から松葉づえで襲撃する暴挙に出た。

 遠藤はトーチャーラックで竹下を場外に投げると「この世はだまし合いだ。俺の足の状況が分かっただろ? 続きは大田区までとっておいてやるよ。お前らよく聞け。世の中には2種類の人間がいる。KO―D無差別級王者のこの俺と、間抜けな挑戦者だ。最後に笑うのはこの俺だ。覚えておけ!」と豪語して軽快にステップを踏んだ。

 欠場は挑戦者に対するトラップで、実はケガは全快していたわけだ。竹下有利に思えた大田区決戦だったが、屈指のハイフライヤーである王者が強烈な先制打を放った格好だ。

 またKO―Dタッグ王者の佐々木大輔(33)、高尾蒼馬(30)組は吉村直巳(24)、上野勇希(23)組を撃破して3度目の防衛に成功。大田区決戦ではHARASHIMA(年齢非公表)、ヤス・ウラノ(43)組の挑戦を受ける。