DDT19日の東京・後楽園ホール大会で行われた「KING OF DDT 2019」優勝決定戦は、竹下幸之介(23)が高尾蒼馬(30)を撃破して初優勝。7月15日の大田区総合体育館大会でのKO―D無差別級王座挑戦権を獲得した竹下は、2月の両国国技館大会以来の戴冠に王手をかけた。

 準決勝の樋口和貞(30)戦では、正面からド迫力の肉弾戦を展開。生涯初の鼻血を流しながらも、ラリアートで激勝した。

 ノーズガードを装着し、準決勝でベテランのHARASHIMAを撃破した高尾とメインで対峙した。開始から躍動した若きエースはジャンピングハイキック、雪崩式脳天砕き、今大会で初公開したカバージョ2020(スリーパー式ラクダ固め)など、猛攻を見せる。

 一方の高尾は、カリスマ・佐々木大輔(33)率いる同門ダムネーションの介入を拒否して真っ向勝負を挑む。本家公認エンドレスワルツ、一撃でダウンを奪う入魂のエルボー、新技リバースゴリースペシャルなどで一歩も譲らない。

 最後も壮絶だった。高尾の雪崩式ジントニックを竹下がカナディアンデストロイヤーで返すと顔面へのヒザ、ラリアートから必殺のファブル(スワンダイブ式スワントーンボム)で初の栄冠をゲット。6月2日の松山大会での無差別級王者・遠藤哲哉(27)対坂口征夫(45)の勝者に、7月の挑戦が決定した。

「大田区で遠藤が来るのか坂口さんが来るのか分からないですけど、令和が始まって新しい時代の区切りかもしれない。遠藤の時代も華やかで面白いでしょう。坂口さんの時代が来ても殺伐になって、スリリングになって面白くなる。決勝で戦った高尾の時代が来ても面白い。樋口の時代が来ても面白い。でも新しい時代は俺を選んだ。大田区ではもう一度、俺がベルトを奪ってDDTの、(自身のユニット)オールアウトの、竹下幸之介の時代を見せます!」

 2月の両国大会では「他団体進出。地方防衛戦開催」の公約を掲げながら、4月の米ニューヨーク大会で佐々木に敗れた若きエースが再び未到達の領域を目指す。

 またガンバレ☆プロレスの石井慧介(34)が予告通り「いつでもどこでも挑戦権」を第5試合のタッグ戦前に行使。急きょ無差別級王座戦が開催され、王者・遠藤がシューティングスタープレスで2度目の防衛に成功した。直後には予定されていたタッグ戦が行われ、殺気に満ちた“荒鷲2世”坂口が遠藤に神の膝をブチ込み、わずか1分13秒でKO。6・2松山での王座奪取に気勢を上げた。