DDTの若きエース・竹下幸之介(23)が、シングルトーナメント「KING OF DDT 2019」準決勝、決勝(19日、後楽園ホール)で生まれ変わった姿を見せる。

 ここまで順当に勝ち上がり、準決勝では樋口和貞(30)と対戦する。「直球勝負できてくれるんじゃないかと思うので、その中で格の違いを見せつけたい」と大型選手相手に真っ向勝負を挑む覚悟だ。
 開幕前から、初優勝にかける思いは誰よりも強かった。4月4日の米ニューヨーク大会でKO―D無差別級王座から陥落し、3度目の戴冠はわずか防衛1回の短期政権に終わったからだ。

「人間としての本能、ギラつく部分が足りなかった」と敗因を分析するや「アスリートとしてニューヨークのファンに竹下幸之介というレスラーを見せたかった。でも向こうのモチベーションは違った。試合に勝ったらショーパブやストリップや金髪女性と(中略)そういう部分が僕には全くなかった…」と振り返る。

 真面目な好青年の印象が強く、そういった「遊び心」とは無縁だった。今後は「本能のおもむくままギラギラ動きます。先輩、後輩を問わず、そういう遊びにたけた人にお店とかいろいろと教わりたい」とオスの本能に正直になるという。

 女性ファンが聞いたら泣き崩れそうな話だが、レスラーとしての幅を広げるためには必要な決断だ。ちなみにその方面で無類の強さを誇る他団体選手の名前を出すと「その方は生まれつきの天然な性豪なので参考にはなりません」と一蹴した。

 優勝者は7月15日大田区総合体育館大会でKO―D王座に挑戦する。「ベルトは預けてるだけなんで。DDTを世界に導くには僕が持っていないと」。強い自信を胸に復権をかけた戦いに臨む。