大日本プロレスのストロング部門最強を決めるリーグ戦「一騎当千」は、橋本大地(28)が初優勝を飾った。BJW認定世界ストロングヘビー級王者として史上初の制覇を成し遂げた原動力は、ある“禁断症状”を乗り越えたことだ。

 当初決勝トーナメントが行われる予定だった12日の札幌大会が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となり、無観客による代替試合が26日に放送された。Aブロック代表の大地は、準決勝でBブロック1位の関本大介(39)をライジングDDTで撃破。決勝戦では、準決勝で全日本プロレスのジェイク・リー(31)を下したCブロック代表のクワイエット・ストーム(36)と激突した。

 試合はストームのラリアートで場外に転落するなどパワーに苦しみながらも、閃光魔術弾からライジングDDTのフルコースで勝利。2018年の前回ストロング大会は王者として出場しながら、ベルトもかかった決勝で鈴木秀樹に敗れただけに「やっと優勝することができました。2年前のトラウマをやっと払拭することができた」と笑顔をのぞかせた。

 心の支えを失った中での戦いだった。大地は“破壊王2世”の異名とは裏腹に、ハローキティで知られるサンリオの大ファン。特に愛してやまないのが東京・多摩市のサンリオピューロランドだ。「自分にとっての癒やしという言葉が一番合う存在でしょうね。もちろん年パス(年間パスポート)も持ってますよ。去年はだいたい月に3~4回のペースで行ってました」

 だが同施設はコロナ禍で2月末から臨時休園に。「パレードの動画を見たりして、何とか我慢しました。あとは行けない悔しさを相手にぶつけて発散したり。早くコロナが収まってまた行きたいです」と試合で爆発させることができたという。「これからも先は見えない以上、全選手がいろいろな方法で情報発信をしていかなきゃいけない」。観客を入れた通常大会、そしてピューロランド再開の日をモチベーションに戦い続ける。