飛びます、飛びます。大日本プロレスのアブドーラ小林(43)が、レスラー生命をかけた決死のダイブ敢行を決めた。

 12月18日の横浜文化体育館大会で木高イサミ(38)の持つBJW認定デスマッチヘビー級王座への挑戦が決まり、その表情は真剣そのもの。「昔から言うじゃないですか。飛べない豚はただの豚だって…。だから俺は、飛びます!」と言葉に力を込めた。

 175センチ、165キロとマット界屈指の巨漢レスラーを突き動かしたのは、ベルトへの意欲とともにこの試合でお披露目される2代目鉄檻への“愛”だ。20年以上使用された初代が限界を迎えたため、リニューアルされる。

 初代とは長年の付き合いだからこそ2代目のデビューに気合十分で「タイトル戦でハイフライヤーになります。前の鉄檻は私が乗るとぐらついたんです。でも今度のは、ぐらつかないらしい。だからこそ、思い切れます。鉄檻のてっぺんから、新技の『ハイフライ・バカチンガーエルボー』を出します」と語った。

 昨年11月には金網上からエルボーを放った際に右肩を脱臼。約3か月の欠場を余儀なくされた。再発すれば長期欠場どころか、24年の現役生活にピリオドが打たれる可能性も高い。それでも5度目の王座戴冠と、新鉄檻の船出を祝福するために捨て身の覚悟で臨む。団体の25周年メモリアル大会は、ベテランデスマッチファイターの命運を分ける舞台になりそうだ。