BJW認定世界ストロングヘビー級王者の鈴木秀樹(38)が29日、V5戦に向け“偏屈理論”を展開した。

 9月16日の横浜文化体育館大会で中之上靖文(32)を迎えて5度目の防衛戦を戦う。19日の名古屋大会で神谷英慶(26)を下した直後に指名したが「6月20日の後楽園大会でアピールしてきたのを覚えていたから指名しただけ」と素っ気ない。

 しかし挑戦者とは因縁がある。大日本には2015年8月から参戦し、16年5月5日の横浜大会で中之上とタッグ対決。この試合で異常な殺気を見せた鈴木は、試合そっちのけで中之上を一方的にボコボコに…。賛否両論を呼んだ当時を振り返りこう話す。

「危機感があったんです。第2試合で宇藤(純久)君と組んで、相手が浜(亮太)さん、中之上で。何もないんですよ。『余りもので組み合わされた。このままだと俺、いらなくなるな』って感じたんです。ベルトに挑戦する雰囲気もない。全て自分が悪いんですけど、お情けで入れてもらっていると感じたんです。だから『何かしないと生き残れない』と思ってあいつをエサにしたんです」

“エサ”を得て大きくなった鈴木は、その後も定期的に中之上をボコボコにしながら大日本マットでの居場所を確立。同王座はもちろん、昨年の東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」技能賞を受賞するに至った。

 ここまで話した鈴木は「エサにしたつもりだったけど、生き残ってるからまだ養分が残ってるんでしょうね」とニヤリ。「ここで僕が負けたら中之上のハッピーエンドじゃないですか。他人のハッピーエンドはちょっと好きじゃないので…」と、昼下がりの高円寺にふさわしくない猟奇的な笑みを浮かべた。