全日本プロレスのアジアタッグ選手権(25日、さいたまスーパーアリーナ)で、伝説のユニット「チームJAPAN」が再結集した。

 王者の秋山準(48)、永田裕志(49=新日本プロレス)組は、挑戦者で約10年ぶりに再結成された名コンビ「ワイルドチャイルド」(大森隆男=48、中西学=50=新日本)組に、序盤から苦しい戦いを強いられた。

 秋山が危惧した通り、専修大レスリング部の先輩にあたる中西の予測不可能な動きに翻弄され、ペースがつかめない。10分過ぎには永田が、頸椎椎間板ヘルニアによる欠場からの復帰戦となった大森を白目式腕固めに捕らえるが、決定打とはならない。逆にその直後、それぞれワシントン条約(マッケンローとアックスボンバーの合体技)の餌食になってしまう。

 それでもエクスプロイダーの競演で形勢逆転に成功すると、最後は秋山がリストクラッチ式エクスプロイダーで大森を沈めた。

 サプライズは試合後だった。諏訪魔(41)との試合を終えた“悪魔仮面”ケンドー・カシン(49)と“野獣”藤田和之(47)が祝い酒を持って登場すると、永田と中西に何やら声をかける。かつて新日マットに存在した「チームJAPAN」メンバーが全員集合し、記念撮影を行った。

「ボクらのチームはハンパなチームじゃ勝てないですよ。このベルトの価値観を上げていく気持ちが芽生えた」と胸を張った永田は「チームJAPAN」による“大会ジャック”について「面倒くさい2人なので、じゃまするなという気持ちが半分と、うれしい気持ちも半分あった」と笑顔で話した。

 一方の秋山は「多分、東スポの陰謀だよ…。まあ、そんなこともできる全日本プロレスですから」と懐の深さを見せ、盟友コンビでさらなる高みを目指すことを誓った。