全日本プロレスの世界タッグ選手権(3日、東京・後楽園ホール)は東京スポーツ新聞社制定「2017年度プロレス大賞」で最優秀タッグ賞を受賞した諏訪魔(41)、石川修司(42)組が王者の秋山準(48)、大森隆男(48)組を撃破し、第79代王者に輝いた。40歳を超えて全盛期を迎えたと豪語する諏訪魔の原動力は、サッカー元日本代表と交わした約束だった。

 昨年の「世界最強タッグ決定リーグ戦」を制した2人が、新春の全日マットで躍動した。試合巧者の王者組に石川がつかまる場面もあったが、ピンチを救ったのが諏訪魔だ。まずは首への集中砲火で大森を戦闘不能にすると、残る秋山には合体技「ラストマウンテン」をお見舞いし、石川の勝利をアシストした。

 試合後は立会人を務めた初代王者の谷津嘉章(当時のパートナーはジャンボ鶴田さん)からベルトを受け取ると、諏訪魔は相棒と「今が全盛期だよ」と口を揃えた。

 1日にはJ1横浜Mの応援で天皇杯決勝(埼玉スタジアム)を観戦した。ホームタウンが同じ横浜で、昨年6月にテレビ番組の企画で元日本代表DF栗原勇蔵(34)と初対面した縁もあった。だが「俺らで頑張ろう」と誓い合った栗原の出番はなく、試合もC大阪に延長の末、1―2で敗戦した。「すごい悔しかった。落ち込んだよ」。その一方で、大きな刺激を受けたのは事実だった。

 ここ数年はケガや若手の台頭もあり出番が減りながらも横浜M一筋で踏ん張り続ける栗原の姿は、2004年10月のデビューから全日一筋を貫く自身の姿と重なった。だからこそ「チームが若返っているのは全日本と一緒だなって。下から突き上げを食らう人の気持ちは分かる。でも勝負どころでは経験のある選手が強い。栗原選手との約束もあるし、俺も頑張らなきゃ」と気持ちを駆り立てられた。

 2月3日の横浜文化体育館大会では宮原健斗(28)、ヨシタツ(40)組を初防衛戦で迎え撃つことが濃厚になり「これは第一歩。ここから何をやるかだな」と目を光らせた諏訪魔。暴走巨人コンビが、18年のタッグ戦線を席巻しそうだ。