全日本プロレスは23日、11月9日の後楽園ホール大会で新3冠ヘビー級王者のジョー・ドーリング(35)に元WWE戦士・ヨシタツ(40)が挑戦することを発表した。だが全日マットで実績を残していないヨシタツの挑戦にはファン、選手から反発の声が相次いでいる。その声を代弁するようにデビュー25周年記念大会を終えたばかりの秋山準(48)が、挑戦権強奪を表明する事態にまで発展した。

 21日の横浜大会で約2年9か月ぶり2度目の戴冠を果たしたドーリングは、11月9日後楽園大会の初防衛戦でヨシタツを迎え撃つことが正式決定した。挑戦者についてドーリングは「彼がリングに上がってきた時は(挑戦を受けるべきか)どうしようかと思った。俺は自分で挑戦者を選ぶことはできないわけだし、彼にとっていい経験になればいいんじゃないか」と余裕満々の表情で話すにとどまった。

 横浜大会で王者の諏訪魔(40)を撃破した直後、真っ先に挑戦をアピールしてきたのがヨシタツだった。だが会場からは大ブーイングが起こり、当のドーリングもショルダータックルでアッサリ“排除”している。あくまで会社が決めた試合をビジネスとしてこなすだけ、というスタンスなのだろう。

 確かにヨシタツはWWEや新日本プロレスでは実績を残してきたが、9月に全日マットに登場してからシングル戦ではTAJIRI(47)にしか勝利していない。これには大森隆男(48)とのコンビで世界タッグ王者に返り咲いた秋山も「ちょっと早いんじゃないかという気持ちがある」と異を唱えた。

 くしくも3冠戦前の11月5日名古屋国際会議場大会ではヨシタツとのシングル戦が決まっている。そこで秋山は「3冠(挑戦は)無理だと思ったら、容赦なく叩き潰す。勝ったら俺がいくのが筋でしょ!? 今なら俺のほうがジョーといい勝負ができるという気持ちがある。ヨシタツ選手には『挑戦が決まってよかった』じゃなくて、その前に一番苦しいものがあると思ってほしい」と厳しく通告した。新王者が誕生したばかりの3冠戦線は、大混戦模様となってきた。