【全日本】3冠王者・諏訪魔 暴走ファイト“封印”し盟友ドーリング迎撃

2017年10月21日 11時00分

ドーリング(左)を迎え撃つ諏訪魔

 全日本プロレスの3冠ヘビー級選手権は21日に神奈川・横浜文化体育館で決戦のゴングが鳴らされる。王者の諏訪魔(40)は20日、持ち味の暴走ファイトを“封印”して挑戦者のジョー・ドーリング(35)を迎え撃つことを決意。普段は試合前から感情が先走ってしまう暴走男にしては珍しく、平静を保ったまま運命の初防衛戦に臨む。

「気を抜かず、正面衝突をしたいなと思ってる。これぞ全日本プロレスっていう3冠戦をやってみせるから」。いよいよ決戦が翌日に迫ったこの日、最終調整を終えた諏訪魔は充実感に満ちた表情で口にした。

 宮原健斗(28)を撃破し、約1年9か月ぶりの戴冠を果たしたのが9日の後楽園ホール大会。あれからわずか中11日の強行日程になるが、もはや日数など関係ない。王者の視線は挑戦者だけに向けられていた。

 ドーリングとは2013年7月に結成した暴走ユニット「エボリューション」の良きパートナーとして苦楽をともにしてきた仲。7月に離反された後は度重なる襲撃行為を受けて怒りを覚えたが、今は違う。悪性脳腫瘍から奇跡の復活を遂げ、至宝をかけた最高峰の舞台にたどり着いた元盟友の姿をうれしく思っていた。

「コノヤローっていう感情で突っ走ることは今回だけはストップ。これは正々堂々とやるべきだなと思う」

 諏訪魔自身にとっても、何としてもここを突破しなければならない理由がある。昨年1月2日の後楽園大会では秋山準(48)を破って5度目の戴冠を果たすも、その試合で右アキレス腱を完全断裂。V1戦を行うことなく無念の王座返上を余儀なくされたのだ。

 6度目の今回は3冠史上最多戴冠記録の更新となったが、心の底から喜べないのもそういった経緯があるためだった。だからこそ「最後の最後ですごい肉弾戦になると思う。極限の状態に追い込まれた時にベルトや全日本への思いが勝負になる」と諏訪魔。盟友から最大のライバルに昇華した男と、雌雄を決する時がやってきた。