全日本プロレスの暴走男・諏訪魔(40)が7日、連覇を狙う「王道トーナメント」(12日、後楽園で開幕)での2大テーマを掲げた。前3冠ヘビー級王者・石川修司(41)の自軍勧誘と元相棒ジョー・ドーリング(35)への制裁だ。“不作の夏”に終わった男は、収穫の季節を迎えることができるのか。

「季節問わず俺は散々だから問題ねえ!」。そう強がった「諏訪魔40歳の夏」は周囲から見ればトホホな結果だった。大仁田厚(59)との電流爆破戦(7月16日、横浜)敗退から始まり、翌17日の3冠戦(後楽園)では当時の王者・石川に敗戦した。

 さらには新日本プロレス・小島聡(46)との遺恨決着戦(8月27日、両国)では暴走軍を離反したドーリングに襲撃を受け、G1クライマックス1勝8敗の小島に敗れてしまった。「ジョーのヤロー、試合をブチ壊しやがって。小島に負けた? 俺は認めねえ!」とストレスだけが蓄積した格好だ。

 小島戦はファンの間でも賛否両論が巻き起こり、試合前に「俺に負けたら新日本を退団しろ」と口にしたことが災いして「負けた諏訪魔が全日を辞めろ」という声も届いたという。それでも“アンチ派”をあざ笑うかのように、暴走男は次なる行動に出た。

 3日の千葉大会では3冠王座から陥落した石川にまさかの共闘を申し出たのだ。返答は得られなかったが「3冠を失った直後は重しがなくなってスッとする半面、自分が忘れ去られる不安感にかられる。でも俺と組めばメリットだらけ。好き勝手に人を壊せるし、3冠にタッグベルトだって巻ける」とその狙いを説明した。

 となれば、順当に勝ち進めば準決勝(23日、仙台)でドーリング、決勝(同)で石川と対戦する可能性がある王道トーナメントは野望を実現させる絶好の場となる。「ジョーをぶっ殺して、石川をゲットする。俺の夏は終わらない!」と豪語した諏訪魔。連覇と同時に全日マットの中心に立つつもりだ。