全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・宮原健斗(28)が9日、大逆襲のプランを明かした。昨年に続き王者として臨んだ春の祭典「チャンピオン・カーニバル(CC)」は、2年連続で外敵に優勝をさらわれる屈辱を味わった。そこで同王座の最多防衛記録樹立となる舞台を団体の45周年記念大会(8月27日、両国国技館)に定め、主役奪還を誓った。

 2年連続で3冠王者として出場した春の祭典では、優勝決定戦(4月30日、博多)の舞台に立つことすらできなかった。しかも昨年の関本大介(36=大日本プロレス)に続き、今年も石川修司(41=フリー)の外敵優勝で幕を閉じた。

 この現状に宮原は「今の時代と言えば時代なんでしょうけど…。全日本の看板がどうというよりも、一レスラーとして嫉妬もあるし、面白くない。優勝決定戦を(会場の)片隅から見るのは屈辱でしかない。自分が締められなかったし…」と唇をかんだ。

 特に今年のCCはファンの注目度も高かった。開幕戦(4月16日、後楽園)が超満員札止めになったのを皮切りに、全国各地の会場で超満員の観衆を記録した。昨年2月から3冠王者として団体をけん引しながらも、春の祭典で中心に立てなかった悔しさが大きいという。

 だからこそ、団体の45周年記念大会は主役の座を譲れない。くしくも保持する3冠王座は、CC覇者・石川の挑戦を受ける21日後楽園ホール大会が9度目の防衛戦となる。順当に行けば6~7月には川田利明(53)が保持するV10の記録に並び、両国決戦では最多防衛記録更新の期待がかかるからだ。

「それ(新記録樹立)に見合う会場も出てますからね。(会場名は)あえて言いませんが、何より宮原健斗は大舞台が似合う。そこで歴史を変えるのも俺らしいかなって」と、胸の中で両国大会をメモリアルデーと定めている。

 この日の新木場大会ではメーンの6人タッグ戦で秋山準(47)と激しい攻防を展開。最後は63歳の渕正信をブラックアウト(ランニングニーリフト)で葬った。宮原は「まずは21日。(石川は)最強の挑戦者。その言葉がピッタリの相手だと思う」と表情を引き締め、夏に向けた防衛ロードを見据えていた。