全日本プロレスの暴走男・諏訪魔(40)が19日、邪道・大仁田厚(59)との抗争を早期終結させることを誓った。春の祭典「チャンピオン・カーニバル(CC)」では鬼門の初戦を白星突破できたことで方向転換。優勝後は大仁田が指定した7月2日の電流爆破デスマッチなど無視を決め込んで、宮原健斗(28)が持つ3冠ヘビー級王座に狙いを定める決意だ。

 Bブロックの諏訪魔は16日の開幕戦(後楽園)でインディの巨人・石川修司(41)を撃破。追求していた肉体と肉体の激しいぶつかり合いで場内を沸かせた。しかも白星発進できたことで「雑音のない戦いが一番だな。(昨年は右アキレス腱完全断裂による欠場で)テレビで見るのは悔しかったから」と満足そうな笑顔をのぞかせた。

 諏訪魔が「雑音」と表現したのは大仁田との抗争だ。超戦闘プロレスFMWの青森2連戦(13、14日)では諏訪魔率いる暴走ユニット「エボリューション」のメンバーが大仁田のFMW軍と電流爆破戦で激突。だが諏訪魔は会場に姿を見せることもなく、自軍は2連敗を喫した。

 ボイコットの理由については「CCが控えていたからな。ここに照準を合わせていたし、オフは(他団体に)出ないことを前提に調整していた」と説明。後に試合映像を見たが「何で(レフェリーに)ケンドー・カシンがいたのか分からないし、メチャメチャじゃねえか。試合として成立してない。ただ電流爆破は破壊力があって危ないものだって映像でも分かったよ」と率直な感想を述べた。

 大仁田は諏訪魔の姿勢を糾弾し、7月2日に神奈川県内で爆破戦を挙行すると一方的に発表した。だが諏訪魔は「CCでいい結果を出せたら、大仁田の相手をしてるヒマなんかない。3冠ベルトを狙いに行くのが当然だろ!?(大仁田とは)茅ヶ崎が最後で爆破には上がらない」と一蹴した。

 大仁田軍と対戦する5月28日のエボリューション興行(神奈川・茅ヶ崎体育館)を最終決着戦にするという。実際、全日ファンからは「からむのはやめてくれ」という声が殺到しているのも事実。諏訪魔は「茅ヶ崎で『チキン諏訪魔』グッズを売って商売でもすっか」と余裕すら見せた。この日の青森・八戸大会メーンの8人タッグでは、秋山準(47)と火の出るような攻防を展開。ようやく目が覚めた暴走男は9年ぶりの祭典制覇に集中する。