全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・宮原健斗(27)が20日、来年の大野望を口にした。今年は初戴冠ながら6度の防衛に成功した実績を踏まえ、勝負の2017年は最多防衛記録更新に挑むことを表明。まずは新年1発目の防衛戦(来年1月15日、福岡・博多スターレーン)で大森隆男(47)の挑戦を受けることを決めた。

「世界最強タッグ決定リーグ戦」にジェイク・リー(27)とのコンビで出場した宮原は、優勝決定戦(18日、後楽園)で「GET WILD」(大森隆男、征矢学組)に敗れ、あと一歩届かなかった。しかも大森に直接フォール負けを喫し、3冠戦開催が発表されている来年1月15日博多大会での挑戦を表明された。

 この失態を宮原は「今年最後にやっちゃったなと。けど『悔しさを抱えたまま年末年始を過ごせ』っていうプロレスの神様が与えた試練だと思う」と分析。大森に対しては「俺に断る権利はないでしょう。借りは年が明けたらすぐに返したい」と即答した。

 すでにV1戦(3月21日、沖縄)で退けた相手ということで現在、ベルトを管轄するPWFが協議中だが、王者がゴーサインを出したことでV7戦での迎撃が決定的。ただし、あくまでも通過点にしかすぎない。宮原は「2017年は最多防衛記録を目指しています。主役が好きですから、歴史に名前を残したいんです」と初めて記録を狙うことを明言したのだ。

 実は11月27日の両国大会で諏訪魔(40)を下してV6に成功した直後、オールドファンから「最多防衛記録、どうですか?」と言われ、気づかされたという。「直感できましたね。俺がやるべきことはこれだって」。同王座の最多記録は第32代王者として君臨した“デンジャラスK”川田利明(53)が持つV10で、03年9月の戴冠から05年1月にかけて達成した。

 今の防衛ペースでいけば、来夏にはタイ記録、秋には12年半ぶりの記録更新に期待がかかる。この日は大日本プロレスとの若手主体興行(新木場)に出場。“破壊王2世”橋本大地(24)から挑発されると、珍しく感情をあらわにしてやり合った。「2017年も俺は最高を求める!」。若き王者が歴史と伝統の王座史に名を刻んでみせる。